子どもの肥満と正しいダイエット【後編】

理想の体形を求め、ダイエットをする子どもたちが近年増加傾向にあります。しかし、子どものダイエットは、さまざまな問題を引き起こすこともあります。前編に続き、肥満とダイエットについての正しい知識を、かたやま内科クリニック院長の片山隆司先生に教えていただきます。



ダイエットの危険性とは?

肥満のもとになる体脂肪は、必要以上に少ないと体に悪い影響を及ぼします。無理なダイエットは、イライラするなど精神面に悪影響を及ぼしたり、正しい成長ができなくなったりするという弊害を起こします。特に女の子の場合、摂食障害になりやすい傾向があります。また、月経不順、髪や肌が荒れるなどの症状も出やすくなります。男の子の場合は、筋肉や骨がもろくなり、低身長になる可能性も高まります。

とはいえ、子どもの肥満を放っておくと、
肥満を気にして積極的な行動がとれない → 孤立する → 引きこもりや不登校になる → さらに太る
といった負のスパイラルに陥ることもあります。また子どもの肥満は、大人の肥満につながるため、将来のメタボリック症候群や生活習慣病の危険度も高まるので要注意です。最近は太っていることでいじめの対象になることを恐れてダイエットをする子どももいます。子どものダイエットは、すべてが悪とはいえないのも事実です。保護者がその子の気持ちを理解して、正しいダイエット法へ導くことが大切です。



正しいダイエット法とは?

ダイエットで重要なのは、「食事」と「運動」と「心がまえ」です。そして正しいダイエットの基本は、「無理をしない」「急がない」「健康的に」ということです。過度な食事制限や、短期間の無理なダイエットは体を壊す原因になります。
正しいダイエットは、スモールステップが肝心です。1か月で1キログラム減を目安に、1か月の目標を立て、食生活や適度な運動をするなどの生活習慣を見直しましょう。また、こまめに体重を測って自分の体を把握し、冷静に自分と向き合いながら行ってください。完全主義にならず、できる範囲でよいという心がまえで行うことです。


正しいダイエット法のポイント

・バランスのよい食品を、品数多く、少しずつ食べる
・食事はゆっくり食べる(早食いは4倍太りやすくなる)
・野菜から先に食べる(三角食べではなく、「ベジ・ファースト」で)
・食事のボリュームは 朝3:昼4:夜3 の割合で(夕食は時間が遅くなるほど軽くする)
・適度な運動を心がける(中2日空けない、が基本)
・常に自分の体を把握する(体重を測る、鏡を見る等)



ダイエットは、「食べてはいけない」ではなく、「上手に食べる」ことが重要です。軽い肥満なら、このような食生活や生活環境を見直すことで改善できます。もし過度な肥満が気になるようなら、専門医に相談してダイエットをすることもよいでしょう。

肥満は、子どもの体に負担をかけるだけではなく、心を傷つける場合もあります。子どもが心身共に健康な状態でいられるためにも、まず保護者が食に興味を持ち、「こんな食べ方がよい」「この食材にはこんな効果があるんだ」など、家庭で正しく食育するよう心がけていただけるとうれしいです。

『気をつけよう!子どもの肥満・ダイエット<3>ダイエットは危険がいっぱい!』『気をつけよう!子どもの肥満・ダイエット<3>ダイエットは危険がいっぱい!』
<汐文社/片山隆司/2484円=税込>

プロフィール

片山隆司先生

片山隆司先生

東京慈恵会医科大学を卒業。同医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科診療医長を経て、2002(平成14)年かたやま内科クリニックを開設。著書に『気をつけよう!子どもの肥満・ダイエット』(汐文社)など多数。

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