高大接続改革、その背景にある18歳人口問題とは?

高大接続改革、その背景にある18歳人口問題とは?2015(平成27)年の大学入試センター試験では、高校を卒業する見込みの生徒が出願した「現役志願率」が43.3%と、過去最高だった。全体の志願者数も、前年度に比べて5,000人近く増えている。しかし、「18歳人口」が再び減少期に入っていくため、今後、出願者数は減っていくだろう。受け入れ側である大学も変化せざるを得なくなるはずだ。ベネッセ教育情報サイトでは、教育ジャーナリストの渡辺敦司氏に話を聞いた。***18歳人口は、終戦直後の第1次ベビーブームで生まれた「団塊の世代」に当たる1966(昭和41)年度は249万人。この団塊世代の子どもに当たる第2次ベビーブーム世代は、1992(平成4)年度に205万人でした。先のピークでは「受験戦争」という言葉が生まれ、後のピークでは、国立大学に臨時的定員増が認められるなどの対策が取られました。その後は少子化の進行により、18歳人口が急減することが確実となり、えり好みしなければ希望者全員がどこかの大学に入れる「大学全入時代」が2009(同21)年度にも到来すると予測されていました。改めて18歳人口の動向をみると、2009(同21)年度あたりから、多少のでこぼこはありながらも120万人前後と比較的横ばいで推移していたのですが、2018年度からは再び減少期に入ると推測されています。これが大学関係者の言う「2018年問題」で、進学者数の減少に伴って、大学の教育や経営の改善はもとより、大学自体の統廃合も真剣に検討しなければならなくなっています。事は「2018年問題」にとどまりません。18歳人口は2024年度に106万人まで落ち込み、その後いったん回復するものの、2031年度にはついに100万人を割ると予想されています。現在進められている大学入試や大学教育などの「高大接続改革」は、こうした動向も背景になっており、何らかの改革が避けられなくなっているのです。

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