子どもの肥満と正しいダイエット【前編】

憧れのアイドルのようにスリムになりたい。痩せているほうがカッコイイ……。理想の体形を求めダイエットに励む子どもたちが、男女を問わず近年増加傾向にあります。しかし、子どものダイエットは、さまざまな問題を引き起こしがちです。肥満とダイエットについての正しい知識を、かたやま内科クリニックの片山隆司院長に教えていただきます。



肥満とはどんな状態のこと?

人間の体は、主にたんぱく質・ミネラル・水分・脂肪の4つの成分で構成されています。体重計が示す体重とは、この4つの成分を合計した重さのことです。これらの成分は、大きく脂肪とそれ以外の成分(除脂肪)に分けられます。医学的に肥満というのは、この脂肪が体に付きすぎた状態のことです。よく自分の体重を平均体重と比較して、肥満かどうかを判断しているかたを見かけますが、これは明らかな間違いです。肥満かどうかは、体重ではなく体に付いた脂肪の割合(体脂肪率)で判断するのです。

ひと口に脂肪と言っても、血液中には中性脂肪・遊離脂肪酸・リン脂質・コレステロールの4種類の脂肪があります。どれも重要な働きをするものですが、なかでも中性脂肪は、多すぎると余った分が脂肪細胞の中に蓄えられて「体脂肪」となり、体を肥満にしてしまいます。つまり肥満は、この中性脂肪の増減で決まるのです。摂取エネルギーが多すぎると、中性脂肪が余って体脂肪が増え太ります。逆に運動などによる消費エネルギーが多いと、中性脂肪がエネルギーとして使われ痩せるのです。



肥満の原因って何?

肥満になる原因は、主に生活習慣にあります。バランスのよい食事をとる、決まった時間に食べる、適度な運動をするなどの基本的な生活習慣が乱れると肥満になりやすくなります。



●肥満を招く生活習慣の例

・早食い  
・ながら食い  
・気兼ね食い
・夜間の大食 
・甘いドリンクの摂り過ぎ ・好き嫌いが多い
・放課後はほとんどゲームやネットをしている
・スポーツをあまりしない
・移動は車や電車が多くあまり歩かない
・階段よりエレベーターやエスカレーターを利用する
・休日は家で過ごすことが多い
・外食が多い



子どもの生活習慣の乱れは、保護者の意識による場合もあります。食事の時間を規則正しくする、子どもの好物でも脂っこいものを食卓に頻繁に並べない、などの配慮も必要です。なかには、保護者が出す食事を残すことに気兼ねして食べ過ぎる「気兼ね食い」をする子どももいます。食事の時間や内容だけではなく、量にも気を配るようにしてください。また、食べる場所を決め、それ以外の場所では食べないという生活環境づくりも大切です。

肥満は遺伝に関係する場合もありますが、基本的には生活習慣や生活環境を上手に管理することで防ぐことができます。肥満の割合は、小学校高学年から多く見られ始めます。この時期は、特に保護者の方々が食生活や運動習慣に対する意識を高く持って、食事のバランスを見直すことをおすすめします。

次回は、ダイエットの危険性と正しいダイエット法についてご紹介します。

『気をつけよう!子どもの肥満・ダイエット<1>キミは本当に太っているの?』『気をつけよう!子どもの肥満・ダイエット<1>キミは本当に太っているの?』
<汐文社/片山隆司/2484円=税込>

プロフィール

片山隆司先生

片山隆司先生

東京慈恵会医科大学を卒業。同医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科診療医長を経て、2002(平成14)年かたやま内科クリニックを開設。著書に『気をつけよう!子どもの肥満・ダイエット』(汐文社)など多数。

おすすめトピックス

子育て・教育Q&A