子育て先進国シンガポールは「当たり前のことが当たり前にできる」国!?
楽しいこともあれば、悩みや気がかりも多い「子育て」や「教育」。他国の子育て事情に目を向け、さまざまな方法や考え方を知ることが、気持ちを楽にするきっかけになるかもしれない。そこでベネッセ教育情報サイトでは、海外での子育て経験を持ち、世界の子育て事情に詳しい沓澤糸氏に、子育て先進国といわれるシンガポールのワーキングマザー事情について語ってもらった。
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お話を伺ったのは、シンガポールでの現地法人立ち上げを任されたAさん。彼女はシンガポール駐在経験のある日本人女性ですが、駐在といってもご主人の転勤ではなく、ご自身の転勤に伴い、ご主人だけを日本に残して当時、まだ小学生と2歳児の2人のお子さんを連れてシンガポールに赴任した経験をお持ちのかたです。
日本では「保活」という言葉ができるほど保育園入園は狭き門ですが、シンガポールではどうなのか伺ったところ、やはり人気のある園は希望者が集まるので待機になる場合もあるそうです。けれども、さまざまな保育施設・サービスがあり選べる状態なので、日本よりもずっと楽だったそうです。また、小学生のお子さんは、学校がある期間は塾に通っていたのですが、塾が送迎バスを出しており、送り迎えが必要なくて助かったとか。
また、仕事のほうも、忙しい時期はあるものの、シンガポール全体が午後5時から6時で仕事を終えて家に帰るというのが一般的な働き方で、学校のイベントもそれに合わせて夜にやってくれるので、クリスマスコンサートなどを親子で楽しむ時間も、ゆっくりとれたということです。
4年間の駐在生活を経験したAさんに、日本で働きながら子育てをしていたころと比較してみてどう感じたかを伺ったところ「日本にいると、仕事・家事・育児のすべてが全部自分の肩にかかっている、という気持ちで息苦しさ、余裕のなさを感じていた。しかし、シンガポールではさまざまな人種、考え方の人がいるので、自分は自分と割り切ることができる。また残業の少ない働き方や多様な子育て支援サービスなどがあり、家族で過ごす時間を大切にできた。当たり前のことが当たり前にできた、という気がする」と話してくれました。
出典:所変われば育て方も変わる? 発見! 世界の子育て~シンガポールの事例から ‐ ベネッセ教育情報サイト