どう育てる子どもの金融リテラシー ファイナンシャル・プランナーが指南
お金についての知識(マネー・リテラシー)を、保護者はどのようにして子どもに身に付けさせればよいのだろうか。ベネッセ教育情報サイトでは、ファイナンシャル・プランナーの菅原直子氏に、子ども自身の口座開設など、具体的に伺った。
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小学生にもなると、「欲しいものを買ってあげる」と久しぶりに会った祖父母に言われ、とっさにモノが思い浮かばず「お金」と答える子も出てきます。が、欲しいものが見つかるまでの間、お金という形で「保存」しておくことを理解しているのは成長した証ですから、むしろ喜ぶべきかもしれません。母親は、身近なお金を上手にやりくりし、無駄遣いをせずに貯蓄できるようになってほしいと願うことが多いようです。一方、父親は、小学校低学年であっても「投資」について学ばせたいと希望したりします。どちらも必要な知識です。どちらかを選ぶということではなく、いずれも教えればいいのです。
お金をしまっておくという行為は同じでも、預貯金口座と自宅の貯金箱では仕組みが違います。口座を作る際、金融機関から名義人の身分を証明する書類の提示を求められます。子どもは、健康保険証を提示することが多いでしょう。病院で使う保険証で、なぜ、身分を証明できるのか、なぜ身分を証明する必要があるのか等、保護者も理由を理解している人は多くないと思います。口座を作るという行為は、金融機関との「契約」です。通帳を受け取る際に、契約の中身を記した「約款」をもらえますから、読んでみましょう。
子どもとお金のつきあいは、使ったり増やしたりすることだけではありません。お金という道具を通して、社会と関わっていくのです。高校生になってアルバイトをするようになれば、給与から差し引かれていなかったとしても、給与明細の項目を見て社会保険制度について親子で話すことも可能です。学校では、税金や社会保障の制度があることは学びますが、自分のこととして理解を深めるのは難しいでしょう。ぜひ、家庭で具体的に伝えてあげてください。
出典:保護者が教える生活の中のマネー・リテラシー -ベネッセ教育情報サイト