教育財源の確保はどうなる? 現状と今後を専門家が解説

教育財源の確保はどうなる? 現状と今後を専門家が解説政府の教育再生実行会議が、教育費の在り方に関する第8次提言をまとめた。ところが、教育財源の確保は、2017(平成29)年度以降、さらなる消費増税が検討される際に、使い道を教育にも広げられないかという話になっている。中央省庁では来年度概算要求の提出時期が迫っているが、しばらくは厳しい予算折衝が続きそうだ。この点について、教育ジャーナリストの渡辺敦司氏が、ベネッセ教育情報サイトに語ってくれた。

 

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来年度予算をめぐって財務省が、公立学校の先生の数を減らすべきだと提案したことには、1,000兆円を超える借金を抱える国の財政を健全化するため、どうにかして予算を減らそうという財政当局なりの危機意識があります。しかし、政府・与党内で調整した結果、6月に閣議決定された今年の「骨太の方針」(経済財政運営と改革の基本方針2015)では「削減という文言は入らない」(文科省財務課)結果となりました。

 

こうした状況を受け、教育再生実行会議の集大成のテーマに残したのが、今回の「教育投資・教育財源の在り方」です。そこでは、少子化の克服や、貧困の連鎖を解消するためにも、「幼児教育の段階的無償化」と「高等教育段階における教育費負担軽減」に優先して取り組む必要があるという文言を盛り込みました。自ら交通遺児として苦学した経験のある、下村博文文部科学相の執念ともいうべき提言です。

 

しかし、よく読むと「中長期的には」「幅広い国民の理解を得た上で」「例えば、将来的に、消費税の見直しが検討されるのであれば」「『教育』にも広げることを検討することも考えられます」と、慎重な書きぶりです。実質的には、消費税を10%からさらに引き上げようという議論が始まったあかつきには、検討に載せてもらおう……という、気の長い話だといわざるを得ません。

 

教育費の抜本的な拡充のためには、消費税かどうかはともかく、どこかから財源を確保しなければなりません。教育投資が子育て世代だけでなく社会全体に利益をもたらすこと、そのためには国民全体でコストを負担すべきだということが、国民の共通認識となるよう議論を進めていかなければならないのです。

 

出典:幼児教育無償化や大学教育費軽減は遠い話? 検討は消費税10%のあと -ベネッセ教育情報サイト

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