寒い土地のすごいエネルギー

 日本海を望む海岸線に、青々と茂った針葉樹林の森。北海道や東北地方といった北国では、広い土地と豊かな自然を活かした畜産業、林業、農業が盛んですが、風土によるさまざまな問題も抱えています。でも、そんな困難を、なんとバイオ燃料に変えてしまったのが北国の人のすごいところ。北国のバイオマスをご紹介します。


1)畜ふんバイオガスプラント

 岩手県葛巻町は、牛が多い町。飼育規模の拡大から、家畜の出す大量のふん尿による河川汚染、近隣住民への悪臭被害が問題となっていました。そこでこのプラントではふん尿を固体と液体に分けて堆肥とする一方で、発酵時に発生して臭い元となるメタンガスを集めてガスエンジンを回し、牧場全体に熱と電気を供給しています。環境汚染ガスが大幅に削減されてエネルギーを回収出来るだけでなく、ミネラルが残るため有機肥料も残る便利な方法です。ムダどころか厄介なものを、便利なものに変えてしまったすごい技術ですね。

 

 

2)木質バイオマス

 北海道は暖かさを石油に依存しており、灯油の年間消費量が日本の全国平均の約4倍という多さです。しかし、その土地の森林面積は全国の2割と広大で、林業が盛ん。そこで廃材や木片から作った木質バイオマスへの転換が進んでいます。木質バイオマスが燃料として優れているのは、二酸化炭素の発生が化石燃料よりも抑制されることと、ゴミとして廃棄されるだけだったムダなものが燃料になってくれること。いわばストーブやボイラーの身近な燃料のみならず、火力発電所でも活用されています。

 

 

3)リンゴバイオエタノール

 リンゴの生産地として有名な青森や岩手。店頭に並んで食卓に届けられるものばかりではなく、商品基準を満たさないいびつなリンゴは腐敗し廃棄を待つばかりです。そこで岩手大学では、この廃棄するだけだったリンゴから果汁を絞り出し、酵母を使い発酵させることでバイオエタノールを精製する研究を行いました。食用のリンゴを減らすわけではないため、ムダをなくすいいアイディア。青森県のビジネスプランの中にも将来的な事業として考えられています。

 

 

バイオ燃料の種はそこかしこに転がっています。今あるものをムダなく使う…いらないものなんてないのかもしれませんね。

 

 

参考:

葛巻町役場クリーンエネルギーパンフレット

北海道 森林バイオマス事例集~ペレットストーブ、ペレットボイラーなどの利用事例のご紹介~

新規材料によるバイオエタノール合成および教材化への応用 岩手大学大学院教育学研究科 澤内大樹

 

 

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