【世界の中学生~アメリカ(6)~】両親から見た子どもの様子とは?

世界の中学生の生活や学習事情にせまるシリーズ。アメリカの中学生、オリビアさんの両親にお話をうかがってみました。

左からオリビアさんの父・フレッドさん、母・エレナさん

 

 

水道・暖房の設備士の仕事をしているお父さんと、医療検査技師のお母さんに伺いました。

 

——勉強にどう取り組んでほしいですか?

 

特に学校の勉強で苦労している様子もないし、だんだん親が助けられる範囲でなくなってきている。だから、本人が責任をもってやればいいと思います。学校のカリキュラムには親として特に不満は感じていません。オリビアには積極的に自分からいろんなことを学ぶ姿勢をもち続けてほしいですね。自主的にやる力があれば、この先どんなこともできるはずですから。

 

——自宅で勉強などを教えていますか?

 

小学校のときは宿題などを一緒にしていたときがありましたが、今はすべて本人に任せていますし、特にそれで困ったことはありません。教えられる範囲を超えてしまったというのも事実です。数学などは自分が習ったことは忘れてしまったので、聞かれても教えられません。

 

ただ、オリビアに対して、勉強に対する期待は高いですね。オリビアは真面目なので、ちゃんとやればいい成績を維持できると信じています。ですが、テストなどでCがついたりすると、すぐに担当の先生に連絡をしていますね。

 

 

オリビアさんの住んでいる地域では、「子どもの教育にかかわるのは自然なこと」という家庭が多く、子どもの成績や宿題について、親が教師と連絡を取り合うことがよくあるそうです。オリビアさんがテストで良くない点を取ったときは、「わからないことがあるのに、そのままにしていたの?」など、理由をきちんと聞きます。もし本人の勉強方法に問題があったりするのであれば、親として状況を理解したいという気持ちがあるそうです。先生も親からの相談に、親切に対応してくれるとのこと。すてきな関係性ですね。

 

 


子どもには一生懸命がんばることを学んでほしい

 お父さんとお母さんに、オリビアさんにどんなふうに育ってほしいかも聞いてみました。

 

——どんな人に育ってほしいと思っていますか?

 

一生懸命がんばれば何でもできることを学んでほしいです。近所には、裕福で家の掃除や雑用を人に頼んで、子どもたちを王子様や王女様のように育てている家庭もあります。けれど、私たちは、子どもたちには家の用事もさせますし、家族の一員として、家族のために役に立とうとするのが当たり前と教えています。それに対して報酬やお小遣いをあげたりはしません。

 

——ご両名に伺いますが、どのような職業に就いてほしいですか?

 

(母・エレナさん)大学は必ず卒業してほしい。本人は弁護士になりたいと言っていて、私たちを喜ばせようとしてるのかはわからないけれど、ちゃんとプロとしてキャリアの積める道を選んでくれればそれで満足です。

 

(父・フレッドさん)自分はあまり上昇志向がなく、もっとがんばればよかったと思うところがあるので、娘たちには私自身が選んだ人生よりも高いものをめざしてほしいし、成功してほしい。

 

 

ご両親が、娘のオリビアさんを信じていて、がんばってしっかりと人生を歩んでほしいと願っているのが、伝わってきました! 親御さんが自分の子どもを信頼しているというのは、決断するときや、困難に立ち向かう際に、大きな支えとなってくれそうですね。

 

 

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