太陽電池はまだまだ進化する?

今や、知らない人はいないクリーンエネルギーの代表選手・太陽電池。燃料を使わない、排気ガスや燃えカスも出さないどころか、太陽の光を受けるだけで発電できてしまうなんて不思議ですね。どうして発電できるんでしょうか?


太陽電池ってどうしてできるの?

 太陽電池が発電できる理由は、光がエネルギーを持っていることにあります。光がもつエネルギーを太陽電池が取り込み、電気エネルギー(電力)に変換することで発電しているのです。光があたっている時しか発電が行えないのは、この変換が直接的で、瞬間的なためなのです。

 

では、どうやってエネルギーを変換しているのでしょうか?太陽電池のエネルギー変換には私たちの暮らしに欠かせないある素材が必須。それは、電子機器を作るために必ず必要なシリコンなどの「半導体」です。半導体は名前のとおり、場合によっては電気を通して、場合によっては電気を通さなくなる物質です。半導体にはn型と、p型の2種類があり、太陽電池はこの2つの半導体を積み重ねた構造をしています。光が当たると、それぞれの半導体の電子の”動きやすさ”の違いから、電気が流れるようになるのです。

 

一言で言ってしまえば、「半導体を使って光から電気を取り出す装置」と言える太陽電池。あまり家庭に普及していないため、最近発明されたものと思いがちですが、その歴史は古く、すでに開発から60年以上の月日が経っています。その間には、さまざまなタイプの太陽電池が開発されてきました。

 

 

太陽電池にはいろいろある

 現在主流となっているのが、結晶シリコン太陽電池です。この結晶シリコン太陽電池は単結晶と、多結晶の2種類があり、面白いことに、単結晶タイプがもっとも古くからあるタイプで、多結晶が今もっとも広く使われているタイプとなっています。今と昔をうかがわせてくれる、時とともに進化してきた太陽電池です。そして、このタイプにはまだまだ未来があります。

 

太陽電池でもっとも重要な事は変換効率です。光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率は、現状でも最大で20%とそこまで高くはありません。まして、製造コストを下げるために薄く作っていたら、変換効率は下がるばかりです。そこで、表面に細かい凹凸(テクスチャ)をつけたり、反射防止膜をつくることで、光を逃がさないようにする工夫や、電極や表面の構造に手を加える工夫がされるようになりました。また、これまで以上の変換効率をもとめて、性質の違うシリコンを重ねあわせたヘテロ接合型の太陽電池も実用化されました。中には25%の変換効率を超えているものもありますが、まだまだ開発中です。

 

もっとも古い太陽電池でもこれだけ改善の余地が残っているのは驚きですね。この他にも太陽電池にはさまざまな種類があり、いろいろな試みがされています。太陽電池のことを知って、少ない電力をどう使うかや、いかに改善するかを考えてみると、もっと太陽電池を身近に感じるかもしれません。

 

 

参考:

太陽電池はどのように発明され、成長したのか—太陽電池開発の歴史

桑野 幸徳, 日本太陽エネルギー学会

 

次世代高効率単結晶シリコン太陽電池セルの開発

中村淳一 浅野直城 稗田健 岡本親扶 片山博之

 

 

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