夏休みにオススメ 親子の「ながら」の会話

ふだんよりお子さまが家で過ごす時間が長くなる夏休み。勉強のこと、部活動のこと、そして将来のこと…保護者としていろいろと話してみたいことがあるはずです。とはいえ、相手はコミュニケーションがますます難しくなってきた高校生。近頃、親子の話が弾まないという保護者のかたに「ながら」の会話をおすすめします。


真正面に向き合わず、作業をしながら話してみる

 「ながら」の会話は、お子さまと一緒に「何かをしながら」会話をすることを指します。「さあ、話そう」と面と向かうのではなく、食事の準備や家の掃除などをしながら雑談していきます。面と向かうと、お子さまは保護者のかたに対して「あれこれ質問される」「小言を言われるのかも」と身構えてしまいがちで、話は弾みにくいですし、なかなか本音も話してくれません。

 

しかし、家事を一緒にしながらであれば、作業に没頭している分、保護者のかたに対して身構える意識も少なくなります。家で過ごす時間が多くなる夏休みだからこそ、屋内の掃除、庭の草むしりや洗車などの作業を一緒にしながら話す機会を増やしてみましょう。

 

「ながら」の会話は、実は高校の先生が生徒把握のためにしばしば行う方法です。授業や学校行事でスケジュールが詰まっている高校では、二者面談を頻繁に行うことは容易ではありません。また、面談で真正面から向き合うと、中には緊張してしまう生徒もいます。

 

そこで高校の先生は「掃除をしながら」の会話を生徒把握の重要なチャンスと考えているわけです。掃除という共同作業をすることで一体感が醸成されますし、適度にざわついた雰囲気の中だからこそ雑談の中から本音がこぼれやすいようです。

 

 

稚拙な内容も頭ごなしに否定せず、本人に深めさせる

 家庭での「ながら」の会話で注意したいのは、核心にふれることを急がないことです。基本は、あくまでも作業中の雑談。あれこれと矢継ぎ早に質問を繰り出してはお子さまが警戒してしまうでしょう。また、保護者のかたの言葉に対して「ああ…」「まあね…」などの生返事が続いても気にしてはいけません。いつかぽろりと本人が漏らす本音を待つことが大切です。

 

また、お子さまがあまり話したがらないようなら、保護者のかたが率先して最近自分にあった出来事などを話すようにします。保護者のかたが自分を開示することで、お子さまの中に徐々に「自分も話してみようかな」という気持ちが芽生えるでしょう。

 

「ながら」の会話にお子さまが慣れてくると、次第にお子さまから学校のことや進路のことを話すようになるはずです。ふだんは反抗的な態度を取ることがあっても、やはり最大の理解者、支援者である保護者のかたには自分のことを知っておいてもらいたいと内心は思っているのです。

 

ただ、「ながら」の会話だからこそ、お子さまが語る内容はときに無防備で、保護者のかたにしてみれば「そんな子どもっぽい考えでいいの?」などと反論したくなることもあるでしょう。しかし、そこで「そんな考えではダメでしょ!」などと頭ごなしに否定すると、お子さまの口から言葉が出にくくなり、「ながら」の会話のための共同作業にも参加しなくなるかもしれません。

 

たとえお子さまが稚拙な夢を語ったときも、「そんなの無理」と否定するのではなく、「そんなふうになれるといいね」などとまずは受け入れて、そのうえで「実現させるためには、どうすればいいんだろうね」などと問いかけるようにします。問いかけにすぐにお子さまが答えられることは少ないかもしれませんが、深追いして答えを出させたり、「こうすればいいと思うよ」などと保護者のかたが答えを与えたりしないようにしてください。お子さま本人が考え、自分の力で答えを出すことが大切です。

 

親子で過ごす時間が増える夏休みは、今まで以上にお子さまの内面と向き合うためにも、あえて真正面から向き合わず、「ながら」の会話、雑談を心がけてみてはいかがでしょうか。

 

 

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