作文がスラスラ書ける 考えるのが楽しくなる国語の授業の達人

作文がスラスラ書ける 考えるのが楽しくなる国語の授業の達人NHK Eテレの教育番組を担当する、NHK制作局チーフ・プロデューサーの桑山裕明氏。多くの授業を見る中で、「こんな先生に教えてほしい」と思うことがあるという。今回は、子どもたちの書く力を育てる神奈川県のAL先生。小学校4年生の国語の授業を通じ、「言葉を思い浮かべ」「どうつなげばいいのか」を教える手順を、ベネッセ教育情報サイトが桑山氏に聞いた。

 

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作文のテーマは「架空の個人面談」。保護者と先生が自分について話す様子を想像して書きます。まず、個人面談の即興劇をやってみます。先生の問いかけに、子どもたちは保護者になったつもりで答えていきますが、ここで子どもたちは「面談の主人公が自分自身である」ことに気付きます。

 

続いて先生は、自分の「学校での様子」「家での様子」「長所」「短所」を書くための4色のカードを配りました。子どもたちは、カードにどんどん書き込みます。手が止まっている子には先生が寄り添い、書くことがイメージできるよう問いかけます。書き終えた子どもたちからは、「こんなに書けるとは思わなかった」「書くのが楽しかった」との声も。「考えるのが楽しい」状況を作ることは、授業作りの最重要事項の一つだと思います。

 

次に、グループで発表し合いアドバイスをもらいます。そして、集まったたくさんの「自分の情報」から、文章化するために取捨選択します。先生は、使ってよいカードは「始め」で1枚、「中」で2枚、「終わり」は1枚と決めました。さらに、「書き出し」と「結び」の文章の例文も用意。これを手がかりに、4枚のカードを選択します。最後に、先生は文章を書くコツを3つ伝えました。

 

● 読み手が「読みたい」と思うように書く
● 見ているように状況を書く
● 会話文と説明文を使い分ける

 

全員があっという間に書き上げました。この授業は、一人ひとりが自分自身と向き合いながら、書く喜びと手応えをつかんでいく授業でした。

 

出典:自分自身と向き合いながら、書く喜びをつかむ作文の授業 -ベネッセ教育情報サイト

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