青少年のネット安全で基本計画策定へ 保護者への支援も強化

スマートフォン(スマホ)などの普及により、子どものインターネットをめぐる環境は大きく変わりつつあります。このため内閣府は、青少年が安全・安心にインターネットを利用できるようにするための、基本計画(素案)をまとめました。スマホなど情報端末機器の多様化・高度化に対応するため、有害情報から子どもを守るフィルタリングなどについて「保護者にわかりやすく伝える」ことなどを、企業などに強く求めているのが大きなポイントです。

「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」によって、国はそのための基本計画を策定することになっています。2012(平成24)年に第2次計画が策定されましたが、近くその期限が切れるため、内閣府は次の「第3次計画(素案)」をまとめました。国民から意見を聴いたあと、今夏にも正式決定する予定です。第3次計画案の主な特徴は、従来のパソコンや携帯電話などに加えて、スマホをはじめ、携帯用ゲーム機器や音楽プレーヤーまでもがネット接続機能を持つようになった社会の変化への対応に、主眼に置いていることです。中でも、保護者間の情報化対応能力に格差があることを認めたうえで、「保護者等の特に注力が必要な層」への支援を重視している点が注目されます。具体的には、スマホ・ゲーム機・音楽プレーヤー・タブレットなどネット接続できる機器に加え、アプリやソフトも含めた購入時における保護者への啓発のあり方のほか、ネット問題に関する相談窓口の在り方などを見直すとしています。保護者の情報化対応能力に応じた、丁寧な相談や説明が課題となりそうです。

一方、企業などの事業者に対しては、ゲーム機や音楽プレーヤーなども含めたネット接続できる機器について、フィルタリングなどの内容や必要性を、保護者に<わかりやすく伝える>ための取り組みを求めています。また、スマホやゲーム機などの購入後にも、フィルタリングなどの説明や情報提供が受けられる<事後の相談窓口>を設け、それを周知することなども盛り込まれました。

このほか、情報端末機器やネット接続の方法が多様化するなかで、あらかじめ青少年保護の対策を組み込んだ形で、すべての機器や接続サービスの設計・提供、事業者内部・事業者間の体制の整備などを行う「青少年保護・バイ・デザイン」という考え方を提言しています。<機器・接続環境等を問わない青少年保護><利用者の視点に立った適切な対応>などが事業者に関するキーワードといえそうです。

情報化社会が進展するにしたがい、保護者の役割はますます重要になってきます。しかし、保護者個人の努力だけでは限界があります。第3次計画案は、行政や事業者などの「関係者は連携協力して保護者がその責務を適切に履行できるよう」に補助・支援する必要があるとしています。スマホなど情報端末機器が進歩し、ネット接続の方法が多様化するなか、子どもの発達段階に応じたインターネットの利用を適切に管理できる能力が、これからの保護者には求められているといえるでしょう。


プロフィール


斎藤剛史

1958年茨城県生まれ。法政大学法学部卒。日本教育新聞社に入社、教育行政取材班チーフ、「週刊教育資料」編集部長などを経て、1998年よりフリー。現在、「内外教育」(時事通信社)、「月刊高校教育」(学事出版)など教育雑誌を中心に取材・執筆活動中。

お子さまに関するお悩みを持つ
保護者のかたへ

  • がんばっているのに成績が伸びない
  • 反抗期の子どもの接し方に悩んでいる
  • 自発的に勉強をやってくれない

このようなお悩みを持つ保護者のかたは多いのではないでしょうか?

\そんな保護者のかたにおすすめなのが/
まなびの手帳ロゴ ベネッセ教育情報サイト公式アプリ 教育情報まなびの手帳

お子さまの年齢、地域、時期別に最適な教育情報を配信しています!

そのほかにも、学習タイプ診断や無料動画など、アプリ限定のサービスが満載です。

ぜひ一度チェックしてみてください。

子育て・教育Q&A