先生の数を減らせ 財務省の主張に学校現場は?

先生の数を減らせ 財務省の主張に学校現場は?財務省が、公立小中学校の教職員数を今後10年間で約4万2,000人減らせるとの試算をまとめ、少子化に見合った学校統廃合を進めるだけでなく、約4,000人の「加配定数」の削減も求めている。本当に先生の数を減らしてよい状況にあるのだろうか。ベネッセ教育情報サイトでは、教育ジャーナリストの渡辺敦司氏に聞いた。

 

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公立小中学校の教職員定数は、学校・学級数を基本として算定される「基礎定数」のほか、教育課題に対応してプラスされる加配定数によって決まります。学級数の減り具合と同じ割合で加配(標準学級当たり加配教員数)も減らせるはずだというのが財務省の主張です。
しかし実際の「学級」では、昔は見過ごされてきた子どもの存在が浮かび上がり、ますます指導が大変になっているのが実態のようです。その代表的なものが学習障害(LD)などの「発達障害」で、文科省の調査では6.5%(40人学級1クラスに2~3人)いると推定されています。さらに、少数ですが性同一性障害の児童生徒もおり、文科省は先頃、性的マイノリティーも含めてきめ細かな対応を行うよう通知したところです。

 

外国をルーツとする子どもも増えています。文科省によると日本語指導が必要な児童生徒は全国に約3万人で全体の0.2%にすぎませんが、地域的な偏りもあります。そのうえ、子ども自身は日本語が不自由なく使えても両親は全然しゃべれないというケースもあり、家庭の文化的・宗教的背景の多様化はもっと進んでいることは明らかです。また、「子どもの貧困」問題も無視できません。多様な個性を認め合ったうえで、いじめなどを防ぎながら、一つの集団としてクラスをまとめ上げなければなりません。

 

そのうえ、いま検討されている学習指導要領の改訂では、アクティブ・ラーニング(課題発見・解決に向けて主体的・協働的に学ぶ学習、AL)も課題になっており、多様化した子どもを生かして多様な考えを引き出すことも求められます。ベテラン教員の大量退職が続き、経験年数の浅い先生が増えているなかで、先生に求められている能力ははるかに高度化していると見るべきでしょう。本当に加配定数は十分なのか、抜本的に検討する必要がありそうです。

 

出典:公立小中の先生の数、減らして本当に大丈夫? -ベネッセ教育情報サイト

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