一緒にお料理、お手伝い! 【第5回】保護者へのメッセージ

Benesse教育情報サイトには、家庭での子どものお手伝いに関する悩みや相談が、数多く寄せられています。なかでも、料理を子どもに手伝ってほしいと考える保護者のかたが多いようです。しかし、どこまでのことをまかせられるのか、何歳の時に何ができるのかなど、不安な点も多くあります。そこで、料理研究家の上田淳子先生に相談にお答えいただきます。また、実際に子どもと料理をしながら、子どもにまかせるお手伝いの内容や、子どもと作る料理の楽しさをご紹介します。



子どものお手伝いには遊びの要素がたくさん


Step1の「ちぎる・混ぜる・並べる」では、あまり何もできないように思えますが、実は子どもの遊びの中からかなりたくさんのお手伝いの要素を見つけることができます。
たとえば、「泥団子」を作って遊ぶことからは「丸める」こと、丸めたものを「移動させる」ことができます。またおはじきなどをきれいに並べるのも、子どもたちが大好きな遊びです。これをお手伝いに置き換えて考えればよいのです。泥団子を作ることは、白玉団子を丸めることや、ラップにごはんをくるんで丸めることにつながります。ごはんは丸めるだけでお弁当の一品にもできます。
物を移動させることで、箱の中からチョコレートやクッキーなどのお菓子を出してお皿に並べることができます。これも立派なお手伝いのひとつです。お箸を食卓に並べるのは子どものお手伝いの代表的な存在ですが、これができれば片づけもできるでしょう。



3、4歳ごろのお手伝い 保護者が注意すべき点は?

ご紹介してきたステップとは別に、年齢ごとに注意すべき点があります。個人差もありますが、3、4歳のころは「危ない」という感覚を、まだあまり知らない子どもが多いのです。熱いものや、刃物などはまだ扱わせるべきではありません。また、けがをしそうなことから子どもを避けることは、保護者の務めです。



ステップ別 他にはどんなことができる?

Step2の段階では、他にも「はさみを使ってのりを切る」などができます。さらに、そののりをおにぎりに巻くこともできます。しかし、道具を使うことには危険も伴います。保護者は必ず隣で見守るようにしましょう。

Step3ではごはんを炊き、Step4ではたまねぎを切りました。こうした組み合わせによって、本格的な料理ができるようになります。たとえば「チキンのトマト煮」なら、具材はそのままで味付けを変えれば「カレー」ができます。また、ごはんを炊く時に調味料と具材を入れれば、炊き込みごはんも作れます。子どもはきちんと教えることで、しっかり料理をできるようになるのです。



子どものお手伝いで保護者は本当に助かる?

「お手伝い」のうちでも、料理は保護者の見守りが必要なため、保護者が助かるようになるまでには時間がかかりますが、お手伝いを積み重ねていくことで確実に上手になります。ただし、保護者に時間や心の余裕がない時には手伝わせるべきではないでしょう。小学校を卒業するくらいまでの子どもの料理のお手伝いは、保護者に時間と心の余裕がある時……むしろ時間がたくさんあって「お料理でもしようか」という時を選んですべきでしょう。



お手伝い:お料理ならではのよさとは?

子どもの「お手伝い」には料理の他にもいろいろありますが、料理ならではのよさとはどのようなことでしょうか? 
料理は、食べたらなくなります。ですから「また作ることができる」「同じお手伝いができる」のです。そうして、どんどん繰り返し、時には失敗し、経験を積み、家族のためにお手伝いをした、という記憶を重ねることができます。これが子どもの成長にはとても大切なことです。ぜひ親子で料理をし、楽しい体験を積み重ねてください。


プロフィール


上田淳子

料理学校で、西洋料理、製菓、製パンを学び、卒業後渡欧。各地の有名店で修行を積む。現在は自宅で料理とお菓子、ワイン教室を主宰している。
料理研究家として活躍する一方、双子の男の子の母としての経験を生かしながら、子どもの「食育」についての活動も行なう。

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