進む入試改革 子どもにとっての幸せとは!? オックスフォード大学教授に聞く「ニッポンの教育」

進む入試改革 子どもにとっての幸せとは!? オックスフォード大学教授に聞く「ニッポンの教育」大学入試の見直しをはじめ、急ピッチで進む日本の教育改革。そんな時にこそ、一歩引いた視点から改めて教育について考えてみることが大切だ。そこで、「ニッポンの教育をどう考えるべきか」をテーマに、東京大学大学院教授から英・オックスフォード大学教授に転身した苅谷剛彦氏に話を伺った。入試改革が進む中、今、保護者にできることとは!? (聞き手/木村治生・ベネッセ教育総合研究所室長)

 

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高大接続改革では、1点刻みの入試を変えようという論議があります。

 

苅谷 目の前の現実的な子供の「幸せ」として点数が社会的な意味を持っていることは、否定できません。「点数だけではない生き方がある」といっても、現実的にはナンセンスでしょう。ただ見方を変えると、入試にしても人生の中では、ごくわずかの話です。何点か刻みで一生が決まるほど、社会や人生は精巧にできているわけではありません。もっと大ざっぱに考えた方がいいでしょう。

 

むしろ保護者の方に、1点刻みではない発想が広がっているようにも思います。

 

苅谷 それよりも子どもが人間関係の機微を感じられなくなっていることの方が、心配になっているかもしれませんね。
保護者が本気で子どもに接したり、一緒に雄大な景色を見て感動したりといったことは、試験に関係なくできることです。子どもが本ばかり読んで一時的に点数が少し下がったとしても、人生に大差はないでしょう。保護者の背中を見せることにも、意義はたくさんあります。日々のいろいろな経験の積み重ねが人生に重みを持ってくることは、自分の人生を振り返れば気が付くことではないでしょうか。保護者自身の人生が充実していることも必要ですね。

 

受験勉強で得た知識は、人類の知識の一角でしかありません。それを使って思考力を育てるような、厳しい大学教育が必要です。それを経て、初めて「これだけのことをやり遂げた」という自信も生まれてくるのです。
保護者の方々も自分の歩んできた人生を振り返りつつ、子ども自身が充実した人生を見つけられるよう、いい意味で気楽に構えながら、サポートをしてあげてほしいと思います。

 

出典:ニッポンの教育をどう考えるべきか --苅谷剛彦・オックスフォード大学教授に聞く -ベネッセ教育情報サイト

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