視線は海外に スーパーグローバル高が目指すものとは?

視線は海外に スーパーグローバル高が目指すものとは?高校時代から世界を舞台に課題を解決する学習を行う文部科学省の「スーパーグローバルハイスクール」(SGH)に、新規56校(国立7校、公立31校、私立18校)が指定された。SGH指定校は初年度である2014(平成26)年度の56校と併せて、112校(各11校、65校、36校)となった。SGHが目指す取り組みや役割について、教育ジャーナリストの渡辺敦司氏が解説する。

 

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今回の新規指定校は、全国190校の応募から実質3.4倍(前年度4.4倍)の難関をくぐり抜けて指定を得ました。2019(平成31)年度までの5年間、大学や企業、国際機関などとも連携しながら、国際的に活躍できるグローバル・リーダーの育成に取り組むことになります。

 

指定に当たっては地域的なバランスなども考慮され、指定校があるのは41都道府県(未指定は山形・栃木・和歌山・香川・佐賀・沖縄の6県)となりました。中高一貫校が10校以上含まれており、地域の公立難関校や私立の有名進学校だけでなく、多様な高校が入っているのも初年度と同様です。

 

ここで改めてSGHの意義を振り返っておきましょう。グローバル人材とは、単に英語ができればよいわけではありません。世界的な視野で、未解決の課題に対して果敢に挑戦する意欲を持ったうえで、文化的背景や宗教を異にするさまざまな国・地域の人たちと積極的にコミュニケーションを取りながら、何事かを成し遂げようとする人が求められます。だからこそSGHでは、海外でのフィールドワークや発表なども含めて、問題解決能力を培う「課題研究」を中心に取り組むことにしているのです。

 

グローバル人材の育成は、一部のエリート校で担えばよいわけではありません。地域創生の観点からもグローバルな視点でローカル(地方)の課題を解決する「グローカル」も必要で、全国の高校に成果を普及させていくのも、SGHの重要な役割です。

 

出典:「スーパーグローバル」高に新規56校、計112校に -ベネッセ教育情報サイト

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