前向きになれない子どものやる気を引き出す言葉かけ 意識が変わる○○○な言葉
新学期のスタートから2か月近くが経過した。子どもたちは、新しい環境に少し疲れてきたころかもしれない。子どもの気持ちが前に向いていないと思われる時、大人は子どもに対してどのように声をかければよいのだろうか。ベネッセ教育総合研究所の小泉和義氏に「やる気を引き出し、子どもを伸ばす言葉かけ」について話を聞いた。
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ある中学校の先生は、「否定的な言葉はできるだけ使わない」とおっしゃいます。もちろん叱らなければいけないことはあります。命に関わるような事態などは、否定形を使うべき場面もあるでしょう。しかしできるだけ肯定的な言い方をするように、努めていらっしゃるようでした。
たとえば「ドアを開けっ放しにするな」を「ドアを閉めてね」と言い換えるだけで、子どもの受け止め方が大きく変わるようです。肯定的な言葉は子どもの意識を前向きにする効果があるのでしょう。
また、ある小学校の校長先生からは次のような質問をされました。
「保護者が子どもと一緒に家にいるとします。天気予報で雨が降りそうだと聞いたあと、子どもが外へ遊びにでかけようとしています。さてこんな時、保護者は子どもにどういう言葉をかけますか?」
私は「『傘を持っていきなさい』ではないのですか?」と答えました。
「もちろんそれでもよいのです。でも、たとえば『天気予報によると、このあと雨が降るらしいよ』と言い換えると、『それなら傘を持っていかなきゃ』と子ども自身が考え、自分で傘を持っていこうと行動します。ちょっとした言葉の違いですが、その言葉一つで受身の行動になるか、主体的な行動をとるか、大きく変わるんです」
日頃、子どもにどういう言葉をかけているか振り返ってみませんか?否定的な言葉を使ったり、 命令口調になったりしていませんか?保護者自身の言葉の使い方を変えてみましょう。もしかしたら、保護者自身の気持ちも前向きになるかもしれません。
出典:学校では今 「子どもを伸ばす言葉かけ」[中学受験] -ベネッセ教育情報サイト