国語辞典の用例はシチュエーションが大事

国語辞典に、見出し語、意味の定義ととともに欠かせないのが、言葉を実際に使った文章、「用例」です。これはいったいどのように作られていっているのか? 株式会社ベネッセコーポレーション 小中学校事業部 佐々木佳世さんに聞いてみました。


用例は辞書の編集で特に力が入るところ

 国語辞典の中に、言葉の定義とともに実際の使い方として必ず載っているのが、言葉を実際に使った例文、いわゆる「用例」です。

 

用例というのは、辞書の個性が出る部分だけに、編集をしている人たちが実は特に力を入れています。辞書を引いて、ぱっと見たときにはすぐには伝わらなくとも、見ているうちに読んでいる人の心にボディーブローのようにしみていくことを信じて、吟味して作っています。

 

用例は、的確に言葉の意味を理解し、なおかつ的確に言葉を使える手助けをするためのものなので、地味ではありますが、辞典を作るときに編集者がすごくがんばって作る部分です。

 

 

用例はシチュエーションが重要

 用例を作るときは、まずはそのシチュエーションを考えるところから始まります。児童・生徒さん向けの国語辞典の場合、実際に小中学生がいるシチュエーションにこだわっています。用例は、なるべく辞書を引く生徒さんたちが主人公になれるシチュエーションにしてあげたいと思っています。もちろん、学校ではなく会社にしかない言葉のシチュエーションなどもあるので、あきらめることもありますが…。それでも、ぎりぎりまでこだわって実際に使ってくれる生徒さんにわかりやすい用例をなんとか作るようにしています。

 

たとえば、「ぴりぴり」という言葉の用例を作るとき、最初は「カレー」のシチュエーションを考えていました。しかし、学校の先生から「学校のカレーは全然辛くない。子どもがぴりぴりするっていうのは、パイナップルを食べたときだよ。」という話を聞き、他にもパイナップルのほうがしっくりくるという先生が多かったことから、「ぴりぴり」のシチュエーションをパイナップルに変えたことがあります。ターゲットに合った状況設定も重要なのです。

 

国語辞典の中に無数に載っている用例は、使う人のことを考えて、シチュエーションにも細かくこだわって作られているのです。繊細な思考が積み重ねられていますよね。

 

 

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