連休明け、やる気が起きない理由を考えてみよう

「なんだか連休明けに体や頭がすっきりしない、やる気が起きない」、そんなとき、皆さんの心の中では一体何が起こっているのでしょうか。それを知ることで、やる気が出ない原因を追究したり、やる気を損なわないための対策を練ったりすることもできます。少しやる気が落ち込んでも、すぐに回復するコツをつかめるかもしれません。一緒に考えてみましょう。


連休はラクだった!大変な生活に戻るのは誰もが嫌なこと

 連休中はどんなふうに過ごしたでしょうか。学校がお休みだったことで、普段よりもゆったりと過ごすことができたと思います。朝はのんびりできて、授業もない。そんな生活から元の学校生活に戻るのは、誰だって「いやだな」と思うものです。

 

とはいえ、今までは普通に学校生活を送ることができていたはずなのに、その生活が急に嫌なものに感じてしまうのはなぜでしょうか。それは、学校生活を送っているそのときには感じていなかった「ストレス」を、学校生活から離れたことで、あらためて認識してしまったからです。

 

ですが、そういった「適度なストレス」は心と体のバランスを保つためには必要なもの。ストレスが何もない生活を送ると、人は心と体のバランスを失ってしまうこともあります。ある程度の「慣れ(耐性)」、そして「適度なストレス」と上手に付き合っていく気持ちがあれば、日常的な適度なストレスを味方にすることができるのです。

 

 

ストレスがあったなと感じたら、連休明けは「ペースダウン」も考えよう

 4月は入学や進級があり、とても忙しく過ごしたと思います。連休を挟んで冷静になり振り返ると、「思ったよりも疲れていた」「自分が知らないうちにストレスを感じていた」ということもわかるかもしれません。もしそうであれば、我慢せずに連休明けはもう少し力を抜いて過ごす、部活や塾など、休めるものは休むなどしてみましょう。やがて、自分のペースを理解し、以前のようなやる気を取り戻すことができるはずです。

 

 

考えなくてもいいことを考えてしまっているかもしれない

 「どうにも気分が沈んでしまう」というときには、自分が「いやだな」と思うことをはっきり特定してみましょう。そして、どうしてそれをいやだと思うのかを少し考えてみましょう。「もっと気持ちが沈みそう」と思われるかもしれませんが、原因がもやもやとしたままでいるより、解決策も見つけやすくなります。

 

原因を特定できたなら、「次はこうする」「こうできたらいいな」と1つでも「改善策」を立て、その後はもう考えるのをやめてしまいましょう。何か自分にがんばったごほうびを用意してもいいかもしれません。心や体が疲れている状態で考え続けていると、考えなくてもいいことまで深く考えてしまうことが多いものです。「気分転換やリラックス」はそんなときにこそ必要なこと。別のことに頭を使うよう、自分自身で仕向けてみましょう。

 

 

生活のリズムを取り戻せば、すっきり解決することも多い

 連休と普段との大きな違いは、「生活のリズム」です。実は、この変化こそ、心にも影響を及ぼしてしまっている可能性があります。そのため、やる気がでない、気持ちがもやもやする、と困っていても、普段通りの生活リズムを取り戻せば、自然とすっきりすることも多いものです。

 

連休明けは特に疲れるかもしれませんが、その疲れにまかせてぐっすり眠るだけでもずいぶん違います。きちんとした食事を摂ることも大切です。調子が戻るまではちょっと息抜きをしながら、普段の生活リズムを守ることを意識してみてください。

 

 

プロフィール



平岡亜紀:公認心理師、産業カウンセラー、研修講師
NPO法人ひさし総合教育研究所 理事
特定非営利活動法人自立支援ネット我孫子 心理師
スクールカウンセラーとして長きに渡り学生・親・教員の相談に従事。心療内科、福祉施設のほか、企業でのキャリア開発、メンタルヘルス対策など多様な人たちが抱える問題にも応じている。

倉持鎮子:自身も7歳、11歳の子どもを育て、育児・食育・親子問題についての執筆を行うライター。医療・健康・体の不思議、子育て中にもできる美容などにも触れ、さまざまな面から「子どもとの生活」についてのライティング実績がある。講師業では、「脳と体を考える食育」についての情報を提供。

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