藤原氏ゆかりの誰もが憧れる高貴な花・藤の魅力を楽しみましょう

4月から5月にかけて山野を彩るのは、紫色の「藤」の花。蝶のような形の花をたくさん咲かせ、「花穂」と呼ばれる、花をつける茎の部分を滝のように垂らします。そのため、藤の名所といわれるところでは竹や木で藤棚を作り、そこにつるを巻きつかせて、藤の花を観賞する場合が多いですね。


藤は美しいだけでなく、めでたい植物としても親しまれてきた

 藤にはいろいろな種類がありますが、大きく分けると「野田藤」と「山藤」があります。野田藤のつるは上から見ると時計回りの右巻きで、花穂が長いのが特徴ですが、山藤は花穂が短くて花が大きく、つるが左巻きになっています。

 

いずれの種類も寿命が非常に長く、埼玉県の春日部市には、樹齢千年以上と伝えられているものもあるのだとか。また、繁殖力も強いことからめでたい植物とされ、昔から人々に親しまれてきました。藤のつるはとても丈夫で、縄や吊り橋の材料になることもあったそうです。美しさを見て楽しむだけでなく、生活にも密着している、すごい花なのです。

 

 

万葉集や源氏物語にも登場する、藤原氏ゆかりの高貴な花

 日本では奈良時代から、藤の花を観賞するならわしがありました。『万葉集』にも、藤について詠んだ歌は20首以上もあります。また、『源氏物語』でも、作者である紫式部が「藤原」の姓を持つこともあって、藤の花の宴に関する記述や、美しい女性を藤の花に例える表現などがたくさん見られます。

 

平安時代に勢力を誇った藤原氏の一族の中には、その名前にちなんで、やがて家紋として藤を用いるようになった家もあります。

 

藤紋の場合、花房の下がった形の「下がり藤」が本来の形でしたが、本家と分家の区別をつけるため、「上がり藤」が作られたそうです。また、家の勢力や運気が下り坂になるのを避けようとして上がり藤が生まれたとする説もあります。

 

藤の花言葉は「歓迎」や「陶酔」。藤を眺めながらお酒を飲むのが、大変に優雅であることから来た言葉だとされています。

 

栄華を誇った藤原氏ゆかりの花で、現代まで高貴な花というイメージで伝えられている藤。今年の春は藤棚の下で、ゆっくりと花を眺めてみるのもいいかもしれませんね。

 

 

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