姿勢の悪い子どもに多い「そわそわ型」 外遊びをしないのも原因?

姿勢の悪い子どもに多い「そわそわ型」 外遊びをしないのも原因?近年、子どもの姿勢の悪化を実感する教師や保育者が増えている。しかし、姿勢の悪さを測定するものさしがないため、実証データは存在しない。子どもの体にこだわった研究を続ける、日本体育大学教授の野井真吾氏に、子どもの姿勢が悪くなっている原因について聞いた。

 

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姿勢が悪くなっている原因として、我々がまず考えたのが背筋力の低下でした。重力に逆らってよい姿勢を保つには、体重と同じくらいの背筋力が必要だからです。今の子どもたちは昔より体重は増えているのにもかかわらず、背筋力は年々下がり続けています。しかし、運動部の子どもたちにも姿勢が悪い子が多く、背筋力だけが原因ではありませんでした。

 

そこで注目したのは、学習する時に重要な働きをする大脳の前頭葉機能です。前頭葉の活動を調べると、物事に集中するのに必要な<興奮>も、気持ちを抑えるのに必要な<抑制>も十分に育っていない、「そわそわ型」の子どもが増えています。人間は誰もが最初は「そわそわ型」です。従来は小学校入学のころまでに徐々に脱していくのが一般的でした。しかし、近年では9歳を過ぎても、「そわそわ型」を脱することができない子どもが増えています。前頭葉の発達が未熟なことが、姿勢の悪化だけでなく、学級崩壊や小1プロブレムの背景にあるようです。

 

もう一つの要因として注目しているのが、セロトニン神経の弱化です。セロトニン神経は、よい姿勢を保つための抗重力筋(背筋など)に緊張を与える役目があります。セロトニンは、日中に太陽光を浴びることで増加し、これをもとに夜には眠りを誘うメラトニンというホルモンが生成されます。しかし、外遊びをしないなど子どもたちが太陽光を浴びる機会が減り、セロトニンが増えず、メラトニンの分泌も抑えられ、体内リズムが乱れています。太陽光を十分に浴びないために、よい姿勢を保つ重要な神経が機能しないばかりか、睡眠にも影響を及ぼしているのです。

 

出典:幼児からできる! 授業を聴ける心と体づくり【前編】姿勢が悪くなっている原因とは? -ベネッセ教育情報サイト

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