過激派組織「イスラム国」(IS)がインターネットに流した日本人人質事件の画像を、子どもが先生や保護者の目を盗んで検索、閲覧し、体調不良になるなどの問題が各地で起こった。検索やSNSを通じて、本来は見せたくない画像を子どもたちが目にする機会が広がる今、一回見ただけでもトラウマになりかねない画像の閲覧を、どうすれば防げるのか。教育ジャーナリストの渡辺敦司氏に話を聞いた。主要な検索サイトには「セーフサーチ」という機能があります。保護者などがオンに設定することが必要ですが、ある年齢以上になれば解除できたりするので、安心はできません。また、セーフサーチ機能がないマイナーな検索サイトや、一般サイトやブログなどのリンクから飛べば、有害な画像も簡単に見ることができてしまいます。一番の対策は、何といってもフィルタリングです。子どもにも急速に普及しているスマートフォン(スマホ)の場合、アダルト画像はもとより残虐な画像も自動的にブロックされます。また、セーフサーチを強制的にオンにしたり、セーフサーチのない検索サイトの利用を禁止したりできます。しかし、フィルタリングも万能ではありません。スマホの場合、契約する回線にフィルタリング機能を置くのが一般的ですが、フリースポットでWi-Fiにアクセスすれば、フィルタリングは利きません。端末にもブラウザ型のフィルタリングを入れ、ダブルでブロックする必要があります。また、ブログなどに有害画像が埋め込まれている場合、そのページが有害サイトとして対象に加えられなければブロックの対象になりません。話題の画像ほど急速に拡散しますから、どこかで制限前の画像を閲覧する危険性は避けられないでしょう。親子でしっかりと話し合い、どんなサイトや画像を見たいのか、見たらどんな結果が待っているのか、きちんと考える習慣を子ども自身に身に付けさせることが、実は究極の対策なのです。
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