新しい入試モデル「高大接続型京大方式」が目指すものとは

新しい入試モデル「高大接続型京大方式」が目指すものとは現行の大学入試センター試験、大改革の先取りとされるのが、2016(平成28)年度に導入が予定されている東京大学の「推薦入試」と京都大学の「特色入試」だ。このうち京大の特色入試に関しては昨年末、選抜要項(予告)が発表された。教育ジャーナリストの渡辺敦司氏に詳しく伺った。

 

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京大の特色入試は学部によって「学力型AO」型、「推薦」型、「後期日程」型があり、日程もセンター試験以外は2015(平成27)年中に終えるものから年明けに出願を開始するものまで異なっています。中教審答申が提言する新テストは将来的に「教科型」問題からの脱却を目指していますが、決して学力を軽視しているわけではありません。京大の特色入試でも医学部医学科を除いてセンター試験を課していますし、そのうえで総合問題(能力測定考査)を課す学部もあります。また、「学びの設計書」など多くの書類を提出させるところがほとんどです。ペーパーテストで測れる学力だけで選抜することはしないという意思を明確にしているといえます。

 

そもそも京大が大学全体として入学希望者に求めるものは、下記とされています。
(1)高等学校の教育課程の教科・科目の修得により培われる分析力と俯瞰(ふかん)力
(2)高等学校の教育課程の教科・科目で修得した内容を活用する力
(3)外国語運用能力を含むコミュニケーションに関する力

 

特色入試を「高大接続型京大方式」と呼んでいることも重要です。入学者選抜の改善によって高校と大学の教育を接続させることで、大学では「幅広い豊かな教養力・俯瞰力、外国語運用力、優れた専門力」を三位一体で育成し、国際展開を担えるグローバル人材の養成を目指すとしています。大学が高い人材養成を行うにも、送り出す側である高校教育をより豊かなものにしてもらう必要があるとの認識です。

 

出典:京大の「特色入試」に見る国の「高大接続」改革 -ベネッセ教育情報サイト

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