文科省が制度化を進める「小中一貫教育」とは?

文科省が制度化を進める「小中一貫教育」とは?各地の自治体が独自に取り組む「小中一貫教育」。2014(平成26)年末の中央教育審議会の答申を受け、文部科学省は必要な法律改正などを行い、2016(平成28)年度から制度化したいと考えているようだ。「小中一貫教育」の学校とはどのようなものになるのか、教育ジャーナリストの渡辺敦司氏に話を聞いた。

 

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答申によれば、小中一貫教育の制度化に当たり、2種類の形態が用意されるようです。完全9年一貫で教育に当たる新しい学校種である「小中一貫教育学校」(仮称)と、従来の小学校・中学校という独立した枠組みを維持したまま、新設の小中一貫教育学校に準じた形で教育を行う「小中一貫型小学校・中学校」(同)です。中高一貫教育制度に中等教育学校・併設型・連携型の3種類(後者2種類は従来の中学校・高校の枠組みを維持)があるのと同様の考え方です。

 

中高一貫教育校との違いは、その主目的が子どもや保護者の「選択」にないということです。中高一貫教育制度は、中学校から入試を経て高校に進学するという従来の制度に加え、6年一貫で学べる機会をつくり、教育を多様化することで、生徒や保護者が選択できるようにすることを目指しました。これに対して、小中一貫教育制度はむしろ小・中学校を一体で運営するメリットに着目し、できる自治体がやりやすいようにすることを目指しました。

 

今回の小中一貫教育制度に関しては、小中一貫教育学校からほかの学校への転校を円滑に行えるようにしたり、教育課程の特例を実施する場合には児童・生徒の過重負担にならないようにしたりするなどの配慮を求めています。

 

小中一貫教育制度の導入が進むかどうかは、各自治体などの判断が重要になります。地域の実態に合わせて、子どもたちにとってよい制度を採用してほしいものです。

 

出典:小中一貫校は新「学校」と「一貫型」の2本立てで -ベネッセ教育情報サイト

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