グローバル化しなければ! 大学生を襲う「プレッシャー」とは
学習指導要領の改訂、大学入試の改革など、現在進められている教育改革の大きな狙いの一つが「グローバル化対応」であり「グローバル人材の育成」だ。しかし、海外で働きたくないと考えている大学生が思いのほか多いという。教育ジャーナリストの斎藤剛史氏に詳しく聞いた。
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大学生で組織されたプロジェクト「FUTURE2014」は2014(平成26)年7~8月、首都圏の大学生を対象に「大学生の『日本』に関する意識調査」を実施、800人から回答を得ました。グローバル化が自分の将来に影響するかどうかについて、「大きな影響がある」と「やや影響がある」を合わせて合計85.4%の大学生が自分の将来にグローバル化が影響すると感じています。いわゆる「グローバル人材」になりたいかについて、「非常にそう思う」+「ややそう思う」の69.9%が「なりたい」と思っていました。
ところが、海外で就職したいという大学生は34.5%にすぎず、約7割が海外で働きたくないと回答しました。就職したい企業も「日本国内のみで仕事をする会社」や「社内での使用言語が日本語である日系の会社」です。世界に通用する自信があるかどうかでは、「全く自信がない」(22.9%)「あまり自信がない」(53.8%)の約8割が、グローバル人材になることは難しいと思っていることも明らかになりました。同プロジェクトは「『グローバル化』のプレッシャーが先行して、萎縮してしまっている大学生の意識がみてとれる」と説明しています。
ただ、海外で就職してもよいという大学生の割合を環境別に見ると、外国人とじかに接したり、実際に外国に行ったりした経験のある者のほうが高いという結果が出ました。グローバル人材になるには、学生のうちに積極的に海外でさまざまな経験を積むことが大切なようです。
出典:グローバル人材になりたいけれど…「海外で働くのはいや」!? -ベネッセ教育情報サイト