子どもが言うことを聞かなくなったら…反抗期、どう対応する?(男の子編)
中学校に入ったあたりから突然言うことを聞かなくなってしまった男の子。このように反抗期に入った男の子には、どう対応していけばいいのでしょうか。
口数が減り、はっきりとした返事をしなくなることも
「言うことを聞かなくなる」というのは、こちらの指示通り動かなくなるということだけでなく、「こちらの話をしっかり聞かなくなる」という意味もあります。返事がなかったり、返事があっても「ああ」「あー」など、理想的な「はい」「わかったよ」という返事が返ってこなかったり。決して聞こえていないわけではないのですが、男の子の場合は特に「そもそも聞く耳を持っていない」ということが多いようです。
そのため、本人からは「わかっているのに何度も言われる」と非常にうっとうしく思われてしまいます。気持ちの問題ととらえられるかもしれませんが、本人にしても「なぜこんなにうっとうしく感じるのかわからない」という状態。これを責めても叱っても、関係は悪化するばかりです。
ですから、ある程度言った後は、できる限り本人に任せましょう。それで忘れ物をしたり、先生にしかられることになったりして失敗することがあっても、本人の責任です。ここで初めて「そういえば言われていたな」「聞かなかった自分が悪かったのだな」と冷静になる自分自身で気づくことができます。適度な失敗なら、させてしまっていいのです。のちに失敗が人生の財産だったと気づくこともあります。
失敗してもうまくいかなくても、「だから言ったでしょう」は禁句
親が言ったことを聞かず、結果的に失敗した時、親が言ってしまいがちなのが「だから言ったでしょう」という言葉です。先ほど触れたように、本人も失敗をして一度冷静になり、まぎれもなく自分の責任なのだと十分にわかっています。程度はどうあれ、親にはわからないところで反省しているのです。
その上で「だから言ったでしょう」と言われても、「そんなことはよくわかっている」と思うだけ。わかっているのに責められれば、やはり「うっとうしい」ということになってしまいます。深く反省し自ら気づくことにはつながりません。
とはいえ、反抗期の子どもだからといって、完全に放置ではどんどん話しにくくなり、距離ができてしまいます。やはり一度か二度、注意を促してあげることは必要です。それ以上は本人を信じて任せましょう。心配であれば、冷蔵庫やトイレのカレンダーなど、よく目がいく部分にメモを残してあげてください。「手紙」ではなく、あくまでも「ヒント」です。単語を書くだけで、本人も何のことかわかります。そのようにして「話を聞かないことは自分にとっても損であり、親は自分の味方で応援者なのだ」と少しずつ気付いてもらいましょう。また、出きたことはほめ、本人を認めてあげることが重要です。
こちらの指示通り動かなかった場合
やるように言ってもやらない、指示したことと別のことをやる、という場合にも、接し方の基本は同じです。まずは子ども自身の判断を信じて任せましょう。自分で考えて選んだ結果、失敗するのもいい経験です。自分の指示したとおりに行動しなかったからといって叱ってはいけません。なにか理由がある場合もあるので、すぐにあれこれと指示を出してしまうのではなく、「自分で考えて決める」という自立の方向に持っていけるとよいですね。「~しなさい」ではなく、「…ということなのだけれど、どうするか考えてみたら?」という言い方で、本人の意思を尊重したやりとりを意識してみてください。