「業務実績評価」でわかる各国立大学の今後

「業務実績評価」でわかる各国立大学の今後受験生に限らず大学進学を希望する生徒やその保護者にとって、志望校選びのためにどんな資料を調べればよいかは重要な問題だ。特に国立大学では、グローバル化への対応など大学改革が急速に進められている。文部科学省が発表した2013(平成25)年度の国立大学の業務実績評価では、22大学が意欲的な計画を策定していると認定された。これについて、教育ジャーナリストの斎藤剛史氏に伺った。

 

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各国立大学には中期目標(6年間)の策定が義務付けられ、文科省の国立大学法人評価委員会が毎年、各大学の計画の進捗状況などをチェックする仕組みになっています。これが国立大学の「通知表」とも言える業務実績評価です。2013(平成25)年度は、90大学・機関のうち、科学研究費補助金の不正使用が明らかになった東京工業大学のみが「重大な改善事項がある」とされました。また、「業務運営」「財務内容」「自己点検・情報公開等」の各評価項目では、すべての国立大学が「順調に進んでいる」または「おおむね順調に進んでいる」などの評価を受けましたが、「法令順守等」の項目では東京工業大学以外にも14大学が「やや遅れている」と判定されています。

 

さらに業務実績評価は、国立大学の中でも特筆される取り組み、「戦略性が高く意欲的な目標・計画」の策定、各評価項目における注目される取り組みなどの具体例を紹介しています。13(同25)年度は「戦略性が高く意欲的な目標・計画」を立てているとして22大学が認定されました。北海道大学は「一線級の研究グループを海外から誘致する計画」、京都大学は「海外大学との共同学位教育プログラムを行う『スーパーグローバルコース』(仮称)を計画」、長崎大学は「熱帯医学でロンドン大学と連携しグローバルリーダーの育成を計画」などがその理由です。

 

業務実績評価は、やや硬い内容ですが、各大学がどんな改革をしようとしているのかを理解する参考になるかもしれません。国立大学の実情を知ることもできるでしょう。

 

出典:国立大学の「意欲的改革」を大学選びの参考に -ベネッセ教育情報サイト

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