2021年度から開始予定の「達成度テスト」 全貌はいつ見える?

2021年度から開始予定の「達成度テスト」 全貌はいつ見える?高校在学中や大学進学時に受ける、基礎レベル・発展レベルの「達成度テスト」(いずれも仮称)の創設が中央教育審議会で検討されている。とりわけ大学入試センター試験に代わる「達成度テスト(発展レベル)」がどのような試験になり、いつから実施されるのかは、保護者にとっても大きな関心事だ。教育ジャーナリストの渡辺敦司氏に、現在の動向について聞いた。

 

***

 

高校版・全国学力テストとでも言うべき「達成度テスト(基礎レベル)」の検討を行ってきた中教審の高等学校教育部会は、具体的な出題科目や実施時期などを固めるのは先送りすることにしました。

 

発展レベルを検討している中教審の高大接続特別部会では、知識の活用力などを測るため、従来の「教科型」だけでなく「合教科・科目型」「総合型」といったタイプの出題も視野に入れるほか、記述式や「コンピュータによる出題・回答の方式(CBT方式)」も提案しています。しかし、実現できるかどうかは技術的な研究に委ねることにし、答申では具体的なテストの制度設計にまで踏み込まない見通しです。

 

これら二つの達成度テストは、複数回の受験ができるようにすることなど、具体的な検討に当たっては共通する課題も多く、同時に研究する必要があります。たとえば、複数回実施で浮上している「項目反応理論(IRT)による方法」は、科目当たり2~3万問以上をためておき、その中から随時出題する方式で、いつでも実施することが可能になるといいます。この方法が達成度テストに導入できるかどうかは、慎重な検討が求められます。そのため中教審の部会も、今後の研究に委ねることにしたわけです。文部科学省は、CBTやIRTの導入までには「少なくとも8年程度は必要」と見ています。

 

8月以降にまとまる予定の答申では、開始時期が「早ければ平成33(2021)年度」と明記される見通しとなりましたが、具体的な姿が見えてくるのはまだまだ先のようです。

 

出典:2021年度からの「発展レベル」テスト まだ姿は見えず -ベネッセ教育情報サイト

子育て・教育Q&A