設置しても電気代がない! 公立小学校のエアコン予算は?

設置しても電気代がない! 公立小学校のエアコン予算は?文部科学省の調査で、公立小中学校の教室のエアコン(冷房)設置率が29.9%になったことがわかった。最近の猛暑が学校のエアコン設置に拍車をかけているようだ。教育ジャーナリストの斎藤剛史氏に詳しく伺った。

 

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文科省がほぼ3年に1回の割合で実施している調査の結果によると、2014(平成26)年4月1日現在、全国の公立学校の普通教室と特別教室を合わせたエアコン設置率は、小中学校が29.9%、幼稚園が41.3%、高校が43.4%、特別支援学校が67.5%と、いずれも2010(同22)年10月の前回調査時より設置率が上昇しました。中でも最も教室数の多い小中学校で、普通教室でのエアコン設置が急増しています。

 

これまでエアコン設置は、コンピューター室など特別教室で優先的に行われていましたが、普通教室32.8%、特別教室27.3%と、今回初めて逆転しました。近年の猛暑が普通教室へのエアコン設置を促したようです。

 

公立学校のエアコン設置率は、地域により大きく違います。小中学校の普通教室のエアコン設置率が高いのは、東京都99.9%、香川県81.0%、神奈川県71.3%、京都府68.1%、沖縄県67.9%。低いのは、北海道0.5%、秋田県1.1%、青森県と岩手県各2.0%。この理由は、気候の違いだけでは説明できません。

 

同じ四国地方でも設置率は香川県が81.0%に対して、愛媛県は4.6%、徳島県は25.5%、高知県は13.8%です。小中学校の場合、市町村の財政力や教育予算をどこに重点配分するかという方針の違いなどが、エアコン設置率の違いとなって表れます。また、子どもには暑さを我慢させることが必要だという考え方が強いと、議会などがエアコン設置に消極的です。ただ、小中学校の普通教室のエアコン設置率は、3年前に比べると約2倍に増えています。「心頭滅却」の精神論も近頃の猛暑には勝てないといえます。

 

さらに、電気代などランニングコストの問題で、設置しても学校予算の増額がないと安心して使えないため、電気代の節約に苦慮している学校も少なくないのです。

 

出典:猛暑が後押し? 学校のエアコン 公立小中3割に冷房 -ベネッセ教育情報サイト

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