スマホで「不適切投稿」 背景にある問題とは?

スマホで「不適切投稿」 背景にある問題とは?スマートフォン(スマホ)の普及に伴い、悪ふざけ写真などの「不適切投稿」が社会問題になっている。気軽に投稿できてしまう機器の特性もあるが、「背景には実はもっと根深い問題があるようだ」と語るのは、教育ジャーナリストの渡辺敦司氏。子どもたちへの影響も懸念される問題について、渡辺氏に聞いた。

 

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先頃、東京で開催された教育関係者向けセミナー「『いいね!』が席巻するネット社会 ~SNS不適切投稿の背景を考える」で、この問題が取り上げられました。基調報告に立った土井隆義・筑波大学教授によれば、不適切投稿はリアルな社会で友達とつながっていたいために、ネットに依存する関係性の中で起こっているのだといいます。

 

LINEなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を依存するほど使う人には、実際には「多様な人間がつながる装置」であるSNSが、「仲間内だけでつながる装置」として認識されているようです。仲間に承認されたいという不安を常に抱えている人が、仲間受けを目的に行ったおもしろ投稿が、Twitterなどを通じて知らない人にも次々と転送されるなどして、「炎上」するケースもあります。こうした不適切投稿は、表に出れば一つの会社をつぶしてしまうほど大きな問題です。

 

子どもとネットの問題は年々増えています。保護者が、子どもの安全・安心のために携帯電話を持たせても、子どもたちは「誰にも干渉されず、好きな時に好きな相手とつながれる」と受け止めています。使用ルールを決めていなかったり、フィルタリングを利用していなかったりしている家庭も少なくありません。フィルタリングをかけても、その後どのような指導をするのかも課題です。

 

不適切投稿の問題は、閉じた人間関係を開いた人間関係にする、というリアル社会の問題として考える必要があると、土井教授は指摘しています。

 

出典:SNSの「不適切投稿」、背景は? -ベネッセ教育情報サイト

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