自営業希望は2割!? 「起業家教育」は小学校から

自営業希望は2割!? 「起業家教育」は小学校から安倍政権は「日本再興戦略」の中で、経済の活性化などのため、起業件数を現在の2倍に増やす方針で、起業家の育成を重視している。ところが、政府がまとめた2014(平成26)年版「中小企業白書」によれば、起業希望者は年々減少。白書は、小学校から「起業家教育」の充実を図るよう求める。教育ジャーナリストの斎藤剛史氏に、起業への関心の実態と起業家教育について聞いた。

 

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白書によると、起業希望者は1997(平成9)年に166万5,000人だったものが年々減少し、12(同24)年は83万9,000人とほぼ半分にまで減っています。背景には、長期的不況や雇用形態の変化による安定志向の高まりや、「ハイリスク・ハイリターン」という起業イメージの悪化などが挙げられます。

 

被雇用者と自営業のどちらを選ぶかという調査では、米国は50.9%が自営業を選択したのに対して、日本は22.8%。開業コストなど起業環境の国際比較では、シンガポールが3位、韓国が34位に対し、日本は120位とアジアの中でもおくれをとっています。外国に比べて起業に対する社会的評価が低く、起業環境も不十分というのが日本の実情のようです。

 

白書は、子どもたちに早いうちから起業に関心を持ってもらうための、「起業家教育」が重要であると提言。「人生の早い段階で起業家に触れることで、将来の選択肢の一つとして起業を意識することができ、より多様性のある職業選択が可能になる」と説明しています。具体的には、小学校では伝記や社会体験などをとおして起業家と接点を持たせ、中・高・大学などでは起業家のもとでのインターンシップや、簿記など起業に必要な実務教育をすべきだとしています。

 

被雇用者となるだけが職業選択ではないことを子どもたちに示すことは、将来の進路選択や生き方をより豊かなものにできる可能性があります。こうした視点で「起業家教育」という提言を考えてみる必要がありそうです。

 

出典:求められる「起業家教育」 希望者激減で -ベネッセ教育情報サイト

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