専門学校生にも経済的支援を! 文科省が検討会発足

専門学校生にも経済的支援を! 文科省が検討会発足文部科学省は、「専修学校生への経済的支援の在り方に関する検討会」を発足させた。奨学金の充実など、大学生に対する経済的支援を検討する動きは進んでいるが、専修学校は大学などとは制度が異なっているため、新たに検討会を設けたものだ。教育ジャーナリストの渡辺敦司氏が解説する。

 

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大学・短大と専門学校の違いは、一般にはあまり知られていないのではないでしょうか。専門学校は、正式には「専修学校専門課程」といい、専修学校の一種です。では専修学校とは何かというと、実践的な職業教育や専門的な技術教育を行う教育機関として1976(昭和51)年に制度化された、比較的新しい学校種です。

 

あとからできた学校種のため、戦後すぐに制度化された高校や大学とはさまざまな面で扱いが違っています。たとえば、大学の設置認可は国が行うのに対して、専門学校は都道府県が行います。時代のニーズに応じた職業教育を機動的に行えるようにするためで、学科改編を頻繁に行う学校も少なくなく、これが専門学校の強みともなっています。

 

逆に制度の違いがネックになることもあり、その大きな問題のひとつが、補助金です。私立大学は国から私学助成が受けられ、それを財源として経済的に困窮する学生に対する授業料減免を行うこともできますが、専門学校は管轄が違うため国からの助成が受けられません。専修学校に対する助成は地方交付税に算定されているものの、補助金と違って使い道が限定されていないため、予算計上は都道府県の判断次第。かなりの地域差があるのが実態です。

 

専門学校生は大学生などと同様、日本学生支援機構(旧日本育英会)の奨学金が受けられますが、それでも中退者の1割(約3,000人)は経済的理由によるものだといいます。大学生より奨学金やアルバイトへの依存度が高いことも同機構の調査でわかっており、経済的支援の充実が急務だといえるでしょう。

 

出典:専門学校生への経済的支援も文科省が検討 -ベネッセ教育情報サイト

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