「達成度テスト」がいよいよ制度設計へ 現在の中1生が対象に?

「達成度テスト」がいよいよ制度設計へ 現在の中1生が対象に?政府の教育再生実行会議が2013年10月に提言した「達成度テスト」(仮称)について、具体的な内容を検討していた中央教育審議会の報告書がまとまった。大学入試センター試験に替わる「発展レベル」、高校版全国学力テストとでもいうべき「基礎レベル」(いずれも仮称)の二つのテストから成り、今後、パブリックコメントや関係団体からのヒアリングを経て、制度設計を固めるという。教育ジャーナリストの渡辺敦司氏が解説する。

 

***

 

夏を目処に答申が出れば、例年8月末に締め切られる次年度概算要求に、文部科学省が必要経費を計上し、実現へ向けて動き出しそうです。大学入試の大幅な改革は高校のカリキュラムにも大きな影響を与えるため、少なくとも最初の受験生が高校に入学する前の年度のうちに概要だけでも示しておく必要があります。つまり最低でも4年はかかるということです。

 

下村博文文部科学相は、東京五輪が開かれる2020(平成32)年を「ターゲットイヤー」として、あらゆる教育改革を進めようとしています。同年にスタートするなら、現在の中学1年生の大学受験から適用されるということになります。

 

今回の改革は単に出題科目が変わるというだけでなく、大学入試の在り方まで変えようとするものです。新たな大学入試は新テストだけで完結するものではなく、「多面的・総合的に評価・判定する大学入学者選抜」を工夫する必要もあります。中教審の部会では、新しい入試の研究や検討に相当の時間が掛かることも指摘しており、現段階ではまったく不透明と言わざるを得ません。

 

大学入試改革が大学教育と高校教育を一体で変えることを目指すものだとするなら、センター試験体制の下での受験生にも無関係というわけにはいきません。「大学改革は待ったなし」というのが中教審会長の口癖です。高校から大学までを通じて「主体的に学び考える力」を育てることが不可欠な時代になってきているのです。

 

出典:「達成度テスト」、ようやく制度設計へ……? -ベネッセ教育情報サイト

子育て・教育Q&A