家庭訪問の季節 先生を迎えるための準備は?
アンケート期間:2013/5/15~2013/5/22 回答者数:2335名
アンケート対象:本サイトメンバー 小学1年生~中学3年生のお子さまをお持ちの保護者のかた
※百分比(%)は小数点第2位を四捨五入して表示した。四捨五入の結果、各々の項目の数値の和が100%とならない場合がある
新しい学年を迎え、学校からの「家庭訪問のご案内」を、受け取ったご家庭も多いのではないでしょうか。先生を自宅に迎えるにあたって、どの程度の気遣いをすればよいのか、家庭訪問によってどのようなことが得られるのか……。気になるポイントもたくさんあると思います。そこで、家庭訪問の実情について伺いました。
先生の印象は子どもから聞いたとおり…… 顔合わせのための家庭訪問
この1年で家庭訪問があったか伺ったところ、「あった」という回答は小学1年生の83.3%から緩やかに減少していき、中学3年生では49.7%という結果でした。学年があがるにつれ、家庭訪問の機会が減っていくことがわかります。
【図1 この1年で、家庭訪問(学校の先生による自宅訪問)はありましたか?】
家庭訪問が行われた時期を伺ったところ、4月(50.2%)・5月(42.8%)がほとんどを占めました。新しい学年が始まってからの「顔合わせ」の意味合いが強いのかもしれません。実際、先生と家庭訪問以前から面識があったか、という質問に対しては、「なかった」が36.1%、「1回だけあった」が40.7%となっており、家庭訪問以前には、先生との面識がないケースも多いようです。
先生の人柄などを事前に子どもから聞いたか、という質問に対して「聞いた」は71.5%。担任の先生の人となりは気になりますが、我が子とはいえ、間接的な情報だけでは心もとないものでもあります。「人柄は、その人を見ればなんとなくわかるものなので、一度は会う機会を持ったほうがいい」という声にもあるように、先生を知るのによい機会だとして、家庭訪問をとらえている保護者も多いようです。
【図2 先生とは家庭訪問以前から面識がありましたか?】
では、家庭訪問によって先生や学校の印象は変わるのでしょうか。「一生懸命なよい印象を持ちました」「思ったより、子どものことをよく観察してくれていました」といったように、「会ったことで見直した」というケースも見られました。しかし、「あまり変わらない」「ほとんど変わらない」「変わらない」を合わせて86.5%と、大半が「変わらない」という趣旨の回答をしています。「子どもから聞いていたイメージのとおりでした」という声もあり、「子どもの情報」は大切なものだといえそうです。
【図3 家庭訪問後、先生や学校の印象は変わりましたか?】
先生との接し方 約半数が「自然体」
先生の訪問にあたって、ご家庭では何かしらの準備をしているのでしょうか。53.3%という約半数が先生の訪問にあたって「緊張する」という結果からは、多くの家庭がいろいろな準備に追われるのではないかと推測されます。
しかし、訪問にあたっての家の掃除については、「目につくところだけ片付けた」「普段どおりの掃除をした」という回答がほとんどを占める結果に。「大掃除をした」という回答は12.9%にとどまり、家の中をひっくり返すほどの騒ぎになることはないようです。
【図4 家庭訪問のために、家の掃除はしましたか?】
家庭訪問の際の保護者のかたの身だしなみについて「髪の毛、メイク、服装をすべて整えた」というかたが約2割を占めましたが、「特に気にせず普段着」のまま、という回答も約半分という結果になりました。「自分(保護者)の人となりを知ってもらう」機会でもあるようです。あまりきれいに身仕度するのは、「念入りに掃除するのと同じで、どことなくうそをついているみたいでいやだった」という、率直な声も聞かれました。
【図5 先生を出迎えるために、身仕度を整えましたか?】
面談場所は玄関先、居間・リビングが主流
家庭訪問の所用時間は5~10分(44.0%)、11~20分(38.6%)程度が多くを占めました。そのためか面談の場所は「玄関先」「居間・リビング」というケースがほとんどです。また、「玄関先」は71.4%が先生の要望によるものでした。あまり家庭の奥深くには立ち入らないように……という先生の配慮があるのかもしれません。
【図6 家庭訪問での面談はどこで行いましたか?(複数回答)】
【図7 「玄関先」と答えたかた、そこを選んだのはなぜですか?】
飲食物の提供については「何かしら飲食物を提供した」が52.1%と半数程度にとどまり、特に気を使わない家庭も多いようです。飲食物として出されているものも、日本茶などが多くを占める結果となりました。
ただ、「自分の住んでいる地域では先生にお土産を渡すのが普通で、柏もちを帰り際に渡したら、持って帰られた」という声も聞かれました。転居されたかたなどは、周りの保護者の準備や対応を、それとなく聞いておくのもよいかもしれません。
【図8 先生に提供した飲食物の内容を教えてください】
70%が家庭訪問に「否定的」 家庭で実施する必要性を感じない
最後に、今後も家庭訪問をしてほしいか伺いました。「家庭の様子を見てほしい」などの理由で、今後も家庭訪問を続けてほしいという回答もありましたが、否定的な回答が70.6%と、多くを占める結果となりました。掃除などの準備が必要なのに、わざわざ面談を家庭で実施する必要性を感じない、ということなどが理由のようです。「お急ぎのようであまり話せませんでした」「先生のスケジュールが詰まっているので、こちらも時間が長くならないようにと気を使います」など、時間が限られるのも不満材料となっているのかもしれません。しかし、それは反対にとらえれば、保護者は先生との対話の時間をもっと望んでいることにつながるとも考えられます。
【図9 今後、先生に家庭訪問をしてほしいと思いますか?】
【図10 家庭訪問をしてほしいと思う理由を教えてください(複数回答)】
【図11 家庭訪問をしてほしいと思わない理由を教えてください(複数回答)】
今回のアンケートでは、家庭訪問に対しては否定的な意見が多いという結果になりました。しかし、「先生も子どものサポーターの一員であり、仲間であるという気持ちで接しています」というコメントにあるように、子どもを育てていくうえで、学校の先生との連携は不可欠なものです。そもそも、家庭訪問には、災害時や緊急時に備えて児童・生徒の家の位置を確認しておく、という意味合いもあります。子どもを育むために情報を共有したり、協力して子どもに接したり、そのためには、土台となるコミュニケーションが必要です。家庭訪問という場に限らず、先生と接し、話し合う機会を設けることは大切なことだといえるでしょう。