全国の法科大学院の約9割が定員割れ 加速する再編統廃合

全国の法科大学院の約9割が定員割れ 加速する再編統廃合近年、法科大学院を卒業しても司法試験に合格できないケースが増えている。さらに、全国の法科大学院の約9割が定員割れという状況も。低迷する法科大学院の再編統合を進めている文部科学省の動きについて、教育ジャーナリストの斎藤剛史氏に話を伺った。

 

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法科大学院が予想以上に増えたことや、法科大学院を卒業しても司法試験に合格できない人が増えていることから、法科大学院の人気が低迷しています。定員割れの法科大学院が約9割以上という現状を踏まえ、文科省では、法科大学院に対する補助金の条件を厳しくし、課題の多い法科大学院には2016(平成28)年度から補助金を交付しないことにしています。ねらいは再編統廃合を進め、全体の入学定員を適性規模にまで縮小することにあります。

 

現在、国公私立で合計73校の法科大学院がありますが、中央教育審議会の調査では、そのうち26校(国立6校、私立20校)に対して、入学者確保などの改善を求める意見が新たに付け加えられました。既に学生募集を停止している駿河台大学など4校と、2014(平成26)年度から学生募集を停止する東北学院大学など2校の計6校には意見が付け加えられていないのため、13(同25)年度は実質的には67校中26校(38.8%)に改善を求める意見が新しく付け加えられた計算になります。

 

特に26校のうち7校に対しては、入学者の確保や司法試験合格率のアップなど全体的な改善が進んでおらず、「更に抜本的な改善に取り組む必要がある」として、今後は「重点的にフォローアップを実施していく」という厳しい意見が付け加えられました。

 

中教審の同委員会は「法科大学院全体としての入学定員と実入学者数との乖離(かいり)は大きいと言わざるを得ない」と明言しており、今後、さらに法科大学院の廃止や統合が加速することになりそうです。

 

出典:改革進まぬ法科大学院に中教審が厳しい指摘 -ベネッセ教育情報サイト

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