安西新会長就任の中央教育審議会 今後は大学入試改革の審議が加速?

安西新会長就任の中央教育審議会 今後は大学入試改革の審議が加速?文部科学大臣の諮問機関・中央教育審議会の副会長だった安西祐一郎氏が、この度新会長に就任した。安西氏とはどのような人物なのか、今後の中教審はどう変わっていくのか、教育ジャーナリストの渡辺敦司氏が予想する。

 

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中教審は、幼児教育から大学・大学院、生涯学習・スポーツまで日本の教育の方向性を議論する戦後以来の重要な審議会です。また、審議の動向は、会長の意向も強く反映されます。安西会長の専門は認知科学ですが、慶応義塾の塾長(慶応大学学長)まで務めた大学経営のプロ。中教審では大学分科会の分科会長などとして大学改革論議をリードしてきました。企業と大学が連携して取り組む教育プロジェクト「Future Skills Project(フューチャー・スキルズ・プロジェクト=FSP)研究会」(事務局・ベネッセコーポレーション)の座長としても活躍しています。

 

安西氏は大学改革を進めるためには大学入試、さらには高校教育も変えなければならないという強い認識を持っており、それが大学教育の「質的転換」答申に結実するとともに、大学入試と高校・大学の一体改革を進める文科相の諮問につながりました。諮問を受けて設置された高大接続特別部会の部会長も務めています。
さらに、政権交代後に発足した教育再生実行会議で2013年6月から高大接続・大学入試の在り方についての検討が始まると、その席に呼ばれて中教審の審議状況を説明し、同会議がその延長線上で「達成度テスト(仮称)」を提言する流れを事実上つくりました。
大学改革はもとより、「達成度テスト」を含めた多面的・総合的な大学入試改革の具体的な審議が加速することは間違いありません。

 

出典:「安西中教審」で教育はどう変わる -ベネッセ教育情報サイト

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