教員免許証の有効期限に注意! 「気付かずに失効」を防ぐ手立ては?

教員免許証の有効期限に注意! 「気付かずに失効」を防ぐ手立ては?文部科学省が教員免許証をカード型にする案を提示している。「背景には複雑すぎる事情があります」と語るのは教育ジャーナリストの渡辺敦司氏。教員免許をめぐる現状について伺った。

 

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現在教員免許を取得すると、賞状形式の教員免許状が渡されます。しかしこのたび、文科学省が「カード型」を提案した理由は何でしょうか。

 

大きな理由の一つは、「教員免許更新制の複雑さ」です。更新制とは、教員に10年に1度の更新講習(計30時間)を義務付けて、更新しない人は教職に就けなくする制度のことで、2009年度から実施されています。しかし教員免許を持っていても教職に就いていない「ペーパーティーチャー」にまで、あとから期限を設けて無効にすることは法律上無理がありました。
そこで、
●10年間の有効期限を設けるのは2009年度以降の新規授与分(新免許)からにする一方、それ以前に授与されている人の免許(旧免許)はそのままにする
●現職教員など教壇に立つ人には10年に1度、更新講習の受講を義務付け、更新手続きをしなければ免許を「失効」させる
という2本立てにしたのです。

 

新免許の場合は、あとから別の教科などの免許を取得すれば、最初に取った免許の有効期限もあとから取った免許に合わせて自動的に延長されます。それに対し、旧免許は、あとから新免許を取っても、2本立て制度のため旧免許の有効期限はそのままです。そのため、東京都教育委員会では昨年、新免許を持っていながら旧免許の有効期限が切れていることに気付かなかった3人を採用取り消しにせざるを得なかったといいます。
カード式にして複数免許も1枚にまとめ、運転免許証のように有効期限を明記しておくようにすれば問題は起こりにくくなるのではないか……というわけです。

 

出典:先生に「免許証カード」案、その複雑すぎる背景 -ベネッセ教育情報サイト

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