子どもの衣服あれこれ 買い替えは子どもの身体と心の成長の証
アンケート期間:2014/1/29~2014/2/4 回答者数:1879名
アンケート対象:本サイトメンバー 小学生~中学生の保護者のかた
※百分比(%)は小数点第2位を四捨五入して表示した。四捨五入の結果、各々の項目の数値の和が100%とならない場合がある
春になり入学の季節になると、真新しい制服に身を包み、新しい学校生活に胸を膨らませている子どもたちの姿を目にすることもあるでしょう。その姿に目を細める半面、そこは成長盛りの子どもたち。「今着ている服もすぐに小さくなって着られなくなってしまうのでは?」と、次の服の準備にため息をつく保護者のかたも多いのではないでしょうか。
今回は、そんな子どもたちの衣服事情について伺ってみました。
学齢と共に「目が肥えていく」子どもたち
まずは、普段着ている洋服について伺いました。1年あたりの被服費を小学生~中学生の学齢ごとに伺うと、学齢が上がるにつれ、若干ではありますが高額になる傾向が見られました。あわせて、洋服を選ぶ際に誰の意見が採用されるのかについても伺うと、こちらも学齢が上がるにつれ、子どもの割合が高まる傾向にあるようです。多感な時期を迎え、自分のスタイルやファッションに興味を持ち始めると「この服が欲しい!」とねだられ、多少高額でもしぶしぶ買ってしまう保護者も多いのではないでしょうか。「なぜかショップで気に入るものがいちばん高価な部類の服。別に値段を見ているわけではないのに、見る目があるのか、当然なのか……」という嘆きも聞かれました。
【図1 お子さまの被服費は、1年あたりどのくらいかかっていますか?】
【図2 洋服を選ぶ時、お子さまと保護者のかた、どちらの意見が採用されることが多いですか?】
学齢が上がるにしたがって、子どもがファッションに興味を持ち始めることは、アンケート結果にも表れています。特に女の子は学齢が上がるつれ、ファッション雑誌を読んでいる割合に増加が見られました。よく読まれている雑誌は、小学校低学年で『ニコ☆プチ』、高学年から中学生にかけては『nicola(ニコラ)』、中学生は『Seventeen(セブンティーン)』というように、対象年齢による「すみ分け」もできているようです。
好きな洋服のブランドも、男の子ではいずれの学年でも「PUMA(プーマ)」や「adidas(アディダス)」などのスポーツブランドが挙げられたのに対し、女の子は、小学校低学年で「mezzo piano(メゾピアノ)」、中・高学年で「PINK-latte(ピンクラテ)」「repipi armario(レピピアルマリオ)」「Honeys(ハニーズ)」、中学になると「earth music & ecology(アース・ミュージック&エコロジー)」「GAP(ギャップ)」「LOWRYS FARM(ローリーズ・ファーム)」といったように、学齢が上がるにしたがって幅広くなる傾向がわかりました。
【図3 お子さまはファッション雑誌を読んでいますか?(女の子)】
一方、保護者はどのような視点で洋服を選んでいるのでしょうか。やはりいちばんの決め手は「価格」という意見が多くを占める結果になりました。その理由としては「すぐに着られなくなるから」という声が多く、実際、洋服を選ぶ際に困ることについても伺ったところ、「すぐに小さくなる」という意見が半数近くを占めました。サイクルの短い子どもの服だから、極力安価にすませたいという実情が、ひしひしと伝わってきます。
ただ、「すぐに着なくなるものは安く、長く着ることができるものは少々高くてもしかたない」という声もありました。ある程度成長が落ち着けば多少高価な服でも……という心理が働き、そのことが、年齢と共に被服費が高額になっていく傾向の一因となっているのかもしれません。
【図4 お子さまの洋服を購入するにあたり、いちばん重視するものは何ですか?】
【図5 お子さまの洋服を選ぶ際に、困ることはありますか?(複数回答)】
成長するにつれ増していく子どものこだわりと、なんとか安価にすませたい保護者。洋服を選ぶ時には衝突することもあるでしょう。「洋服は自分で選びたい」と思っている子どもも多いと思います。しかし、子どもだけで洋服を買いに行くことがあるか、という質問では、91.3%がない、と回答。また、よく買う場所も「量販店」が最も高い割合を占める結果でした。子どもとしては、自分が好きなブランドの専門店で、自分好みの洋服を買いたいけれども、そこは財布を握っている親に従うしかない……というジレンマが感じられる結果といえるでしょう。
【図6 お子さまの洋服をよく買う場所を教えてください(複数回答)】
3割は1年で買い替え……制服も成長にはかなわず
学校の制服についても伺ってみました。学校に制服があるかどうか伺ったところでは、小学生で19.4%、中学生では97.4%が、子どもの学校には制服が「ある」と回答しました。制服といっても、その形は学校により異なりますが、子どもたちは気に入っているのでしょうか。伺ったところ、おおむね気に入っているという結果になりました。しかし、ブレザーについては「デザインが古い」「おじさんっぽい」「ネクタイが面倒くさい」などの声がありました。また、セーラー服については、「とても気に入っている」割合が比較的高い半面、「あまり気に入っていない」という割合も高く、好みが分かれるようです。
では、学校に制服があることについて、保護者はどう思っているのでしょうか。伺ったところ、制服があることについて「よい」という回答は95.9%に上りました。その理由としては、服装の乱れが少ない、お金がかからない、が多くの割合を占めました。流行に振り回されることがなく、あれこれ買いそろえなくてすむことは、保護者にとっては大きな安心材料でしょう。ただ一方、「よくない」という回答の理由で多くを占めたのも「お金がかかる」こと。良くも悪くも「お金」が大きな要因を占めているという結果になりました。
実際、制服の費用について伺うと、ボリュームゾーンは小学生で1~2万円、中学生では2~3万円と、決して安くはない額です。また、同じ制服であれば長い期間着られるか、というとそうでもなく、1年未満という回答も3分の1近くを占めました。個人差もあるかと思いますが、育ち盛りの時期でもあり、どうしても買い替えが発生してしまうのでしょうか。
【図7 お子さまの学校に制服があることについて、どう思いますか?】
【図8 お子さまの学校に制服があることについて、よいと思う理由を教えてください(複数回答)】
【図9 お子さまの学校に制服があることについて、よくないと思う理由を教えてください(複数回答)】
【図10 制服にかかった費用はいくらぐらいですか?】
子どもは身体も心もどんどん成長していくものです。それぞれのステージに合わせて被服を準備する必要があるようです。特にデザインを重視する傾向は男の子より女の子のほうが強く「寒い日でも短いスカートをはいて出かけていく姿を見ると、おしゃれは体力勝負なんだなあ、とあきれるのを通り越して感心さえする」という声も。しかし、子どもの被服の購入に使えるお金には限りがあります。「仕方がないので、ネットのオークションの古着や、格安店でデザインを吟味して買っている」といった声にもあるように、工夫してやりくりしている保護者が多いようです。
ただ、「すべての服が思い出になる」という声にもあるように、年齢により好みも変わっていく子どもの洋服は、同時に子どもの成長の証でもあります。家計をやりくりしつつも、子どもがファッションとどう付き合っていくのか、その変化を、子どもと共に楽しむのもよいのではないでしょうか。