公立小・中学校の少人数教育の推進案、実現できない2つの理由

公立小・中学校の少人数教育の推進案、実現できない2つの理由文部科学省は2014(平成26)年度予算で、公立小・中学校の教職員定数増加を要求していた。しかし、閣議決定された政府予算案では、小学校英語の教科化やいじめ問題への対応、道徳教育、特別支援教育などへの増員は認められたものの、35人学級化などを進める「少人数教育の推進」は認められなかった。「『教員数を増やさなければ学校現場は持たない』が、教育関係者の共通認識」と話すのは、教育ジャーナリストの渡辺敦司氏。少人数教育推進について文科省はどのような戦略を立てていたのだろうか? 詳しく解説してもらった。

 

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第2次安倍内閣として本格的な予算編成となる2014(同26)年度に向け、文科省は「教師力・学校力向上7か年戦略」を立てました。このうち「少人数教育の推進」は、小学3年生以上でも36人以上学級を解消できる予算額は確保するというものです。35人以下学級にするか、増えた先生をティームティーチング(TT)や習熟度別指導などにあてるかは、市町村の裁量で選べるようにするため、7年間で1万4,700人(初年度は2,100人)を措置することを目指しました。しかし、予算折衝の結果、ゼロ査定となってしまいました。

 

大きな理由は2つあります。1つめは、東日本大震災の復興財源を確保するため、国家公務員の給与を減額する措置が2013(同25)年度で終了することに伴い、教員を含めた地方公務員の給与も減額分の増額が見込まれること。2つめは、財務省が財政制度等審議会の建議を盾に、「一般公務員より優遇されている教員の給与を削減すべきだ。少人数教育に取り組んだ学校の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の平均正答率は悪化している」という主張に対して、防戦を余儀なくされたことです。

 

しかし、学校の先生が忙しすぎるということは各方面から指摘されています。グローバル化対応などの新たな課題やいじめ対策、道徳教育の充実などに取り組むにしても、業務の効率化だけで乗り切れるか、もっと踏み込んだ議論や検証が必要でしょう。

 

出典:「少人数教育の推進」またも見送りに -ベネッセ教育情報サイト

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