再犯に走る少年が増加傾向 「犯罪白書」から現状をひもとく

再犯に走る少年が増加傾向 「犯罪白書」から現状をひもとく2013年は、少年犯罪やいじめにまつわる報道を多く目にした年、と言えるのではないだろうか。しかし、2013(平成25)年版「犯罪白書」によると、少年非行や犯罪は減少しているという。その中で注目したいのは「再非行少年率」と指摘するのは、教育ジャーナリストの斎藤剛史氏だ。少年非行の現状について、詳しく伺った。

 

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1946(昭和21)年から2012(平成24)年までの間に、刑法に反する犯罪で警察に検挙・補導された19歳以下の少年の数を見ると、1951(昭和26)年の16万6,433人、1964(同39)年の23万8,830人、1983(同58)年の31万7,438人という大きなピークが3つありました。しかし、最近では2004(平成16)年から毎年減少を続け、2012(同24)年は10万1,098人(前年度比12.9%減)となり、1946(昭和21)年以降で最低を記録しています。
「少年人口比」で見ても、10歳以上の少年10万人当たりの検挙・補導数は、2012(平成24)年が848.3人で、戦後最高だった1981(昭和56)年の1721.7人と比べて半分以下となっているのです。
現在の日本の社会は、少年犯罪が増加しているどころか、逆に戦後社会の中で最も少年による犯罪が少ない時代を迎えていると言ってよいでしょう。

 

そんな中で注目されるのが、再び非行や犯罪に走る「再非行少年率」の上昇です。刑法犯として一度検挙・補導されたのち、再び検挙・補導された少年の数は、2012(平成24)年が2万2,179人で、2004(同16)年以降減少を続けています。それにもかかわらず、再非行少年率は1998(平成10)年以降増え続けており、2012(同24)年は33.9%と過去20年間で最悪となりました。背景には、子ども自身の問題、家庭の問題などさまざまな理由があると思われますが、罪を犯した子どもたちに対して社会が不寛容になっているということはないでしょうか。

 

出典:少年非行やはり減少傾向 再犯防止に課題も -ベネッセ教育情報サイト

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