「キャリア教育」のあり方も変わる? 激変する職業環境に対応するには

「キャリア教育」のあり方も変わる? 激変する職業環境に対応するには「アクチュアリー」「ソーシャルメディアコーディネーター」「情報セキュリティマネージャー」。これらは最近になってできた職業の名前だが、どんな仕事かおわかりだろうか? 「今は当たり前と思われている仕事も、10数年後には消滅しているかもしれないし、まったく別の形に姿を変えているかもしれません」と語るのは、ベネッセ教育総合研究所・情報編集室長の小泉和義氏。今のこどもたちが将来の職業を考える上で大切なことを伺った。

 

***

 

「2011年度にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」。これは、アメリカにあるデューク大学のキャシー・デビッドソン教授の言葉です。アメリカ国内の予測を述べていますが、そうした状況は日本にも当てはまると思います。

 

今の子どもたちが大人になるころは、現在の大人の働き方とはかなり変化していることは確実です。進む少子高齢化の中で生産性を高めるには、グローバルな視野で仕事をしていくことが不可欠になるでしょう。

 

文部科学省の中央教育審議会では、「キャリア教育」を「一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育」と定義しています。
単なる「職場体験活動」ではなく、社会がどう変化しても生きていける基礎的な力を、学校教育の活動をとおして身に付けさせていこうというものです。

 

子どもたちに必要なのは、「何の職業につくのかを今から決めること」ではなく、「どの職業についても前向きに生きていける力を身に付けること」です。その力は「人の役に立ちたい」という気持ちと、「周囲と協力をして物事を進める姿勢」を育てることで身に付くのではないかと考えます。日常生活の中で、「だれかのため」に「どうやって協力して」行うのかを、子ども自身がしっかり意識して行動できるよう指導することが、なによりのキャリア教育かもしれません。

 

出典:我が子の将来の職業は?[中学受験] -ベネッセ教育情報サイト

子育て・教育Q&A