フィルタリングは効果無し? 子どものスマホ被害が1年で約20倍に!

フィルタリングは効果無し? 子どものスマホ被害が1年で約20倍に!未成年者の携帯電話(ケータイ)などが、有害サイトにアクセスできないようにするフィルタリングが義務づけられて久しい。しかし、急激に普及するスマートフォン(スマホ)には、従来型ケータイのフィルタリング対策が実質的には効いていない状況だ。懸念される新たな問題について、教育ジャーナリストの斎藤剛史氏に聞いた。

 

***

 

内閣府の調査によると、ケータイ等の所有者(小学生27.5%、中学生51.6%、高校生98.1%)のうち、スマホを使用しているのは小学生が7.6%、中学生25.3%、高校生が55.9%でした。2012(平成24)年11月時点での調査なので、今春の入学シーズンを考えると、さらに多くなっていることが予想されます。

 

青少年インターネット環境整備法では事業者に対して、18歳未満の使用者にフィルタリング機能を提供することが義務づけられています。ところがスマホは従来の電波回線のほかに、家庭や公共の場に設置された無線LANを使ってインターネットに接続できます。ところが、ケータイ会社が提供するフィルタリング機能ではこれに対応できないことがあります。

 

また、最近ではLINE(ライン)・Mobage(モバゲー)などのソーシャルメディアを利用する人が増えています。フィルタリング機能を有効にしておくとLINE利用ができなくなることがあるため、フィルタリングをかけないよう保護者に頼んだり、外したりする子どもが増えているようです。

 

警察庁によると、スマホを使って何らかの事件の被害にあった子どもは2012(平成24)年下半期で122人もいます。1年前の2011(平成23)年下半期には、スマホ使用の被害者は7人でしたから、その急増ぶりがうかがえます。

 

子どもにスマホを与えた場合、フィルタリングをきちんと導入しているか、不正なアプリをダウンロードできないようにしているか、ウイルス対策をしているか、課金ゲームなどにのめりこんでいないかなど、保護者に課せられる責任は、ケータイの場合よりもさらに重くなってくることを知っておくべきでしょう。

 

出典:スマホ普及で懸念される子どもの事件増加 -ベネッセ教育情報サイト

プロフィール



「ベネッセ教育情報サイト」は、子育て・教育・受験情報の最新ニュースをお届けするベネッセの総合情報サイトです。
役立つノウハウから業界の最新動向、読み物コラムまで豊富なコンテンツを配信しております。

子育て・教育Q&A