6-3-3-4制の崩壊!?  小学校〜中学校9年一貫の「義務教育学校」登場か

公立の小学校と中学校を一体として教育を行う「小中一貫教育」が広がりつつある。中央教育審議会も、小中連携促進の議論を始め、9年一貫の「義務教育学校(仮称)」を新設するかどうか、検討するという。なぜ今、小中一貫なのか。教育ジャーナリストの渡辺敦司氏に聞いた。

 

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学校間の連携が問題となっている背景には、今の6-3-3-4制という学校制度(学制)が、子どもの実態に合わないのではないかという考えがあります。文部科学省によると、今の学制が始まった当時と比べて、身体的発達が2~3歳早まっているそうです。例えば1948(昭和23)年の中学1年生(12歳)の平均値は、2010(平成22)年の小学4~5年生(9~10歳)の平均値に相当します。発達の変化により、学年で授業や学校の楽しさに変化が見られ、これが学力不振や学校生活への不適応を招いているのではないかといいます。とはいえ、現行の学制を組み替えるのは現実的ではありません。そこで、学校間の連携を進めることで課題を解消しようと考えたのです。

 

小中連携に関しては、学校を所管する自治体のほうが早く動き出しました。2011(平成23)年の文科省の調べによれば、すでに3分の1の市区町村教育委員会で、小中連携を推進するための方針や計画を定めています。東京都品川区、京都市など先進的な教委が集まって、「小中一貫教育全国連絡協議会」を結成し、研究が進められています。同協議会も、「義務教育学校」の制度化を検討するよう求めています。

 

義務教育学校ができれば、中高一貫教育校のように、小学校と中学校の指導内容を入れ替えるなど、柔軟なカリキュラムが組めそうです。また、「現行の学習指導要領の下でも、小中一貫教育は可能」という意見もあります。いずれにしても、小中の連携は今後さらに求められていくでしょう。

 

出典:できる!? 小中一貫の「義務教育学校」 -ベネッセ教育情報サイト

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