【少年サッカー】成長痛(オスグッド)のケア法・予防法

発育期の子どもにおこりやすいスポーツ障害の一つ「ひざの成長痛(オスグッドシュラッター病)」。筑波大学大学院でスポーツ医学を教え、トレーナーとしても多くのトップアスリートをサポートしている白木仁教授に予防方法や、お父さん・お母さんのサポート法を伺いしました。



選手とお父さん・お母さん。そして指導者の三位一体も大事

ジュニア年代では、なかなか自分の症状を把握し、口にするのは難しいもの。また、痛みが引いた翌日から、全力でプレーを再開してしまうこともあります。そこで大事になってくるのが、お父さん・お母さん、そして指導者のみなさんたちです。
「子どもから『ひざが痛い』などと声を聞いたら、周囲の大人が『成長痛かな?一度、ドクターに見てもらおう』と声をかけることが大切です。残念ながら、(自宅やチームでできる)処置法などはなく、すぐにできることはあまりありません。通常ならば、休養することで治りますし、子どもだと1週間ほどで症状が治まることもあります。
身体が成長をしているので休むことで治るのですが、症状が落ち着いたときに、激しい練習を再開すると、また痛みが出てきてしまいます。痛くなくなれば、子どもは元気なので思いきり蹴ってしまうこともありますし、治ったと思ってしまうものです。気持ちで先行してしまうので、少しブレーキをかける時間をあげてほしいと思います。たとえば、指導者のみなさんが、「痛みが消えてすぐだから、今日の練習では、思いっきりプレーをするのは待とう。軽いメニューにしておこう」という形でトレーニングができるのであれば、ベストですね。
また、お父さん・お母さんができることは、きちんと休ませることと、これからお伝えする予防法をしようという声掛け(気にしてあげること)でいいと思います。子どもは家族には、甘えてくるものですから『痛い』という声で診察に行くことも、忘れないでいてほしいなと思います。あとは、家の中でのケアに協力することと同じように、グラウンド場のことは、指導者に任せて、協力するようにすると、子どもたちも安心して競技に打ち込めると思いますよ」



予防法、ケア法

最後に、自宅でもできる簡単な予防法を教えてもらいました。

「成長痛(オスグッド)の時期は、本当に休むことが大事です。子どもは発育期なので、新陳代謝も激しいですし、きちんとした休養を取れば1日で治ることもあります。
その予防法ですが、中学生の年代くらいまでは、ひざに負担をかけすぎないように、深い屈曲はさせないようにします。(身体が成長したら構いませんが)深くおしりをおとしたスクワットやうさぎ跳びもよくありません。特に、≪そんきょ≫の姿勢は取らせないようにしてほしいと思います。実は、和式のトイレの使用も、ひざへの負担になりますので、気をつけましょう。
そして、症状が出て≪患部が痛い≫のにストレッチをしてしまうと、余計に痛くなる場合もあります。ケガをしたらストレッチをしようというイメージがついてしまっているのですが、そうではなく、ケガの症状によっては伸ばしちゃいけないときもあるので注意が必要です。
私たちが練習を終わって行うのは、アイシングです。アイシングはとても大切で5分でいいので、氷を当ててあげましょう。痛みがでていないひざもやることが大事です。練習が終わったら5分冷やす。夏だったら、両足を水で流すのもいいでと思います。用意ができるのであれば氷が一番いいので、夏場は、氷のキューブを直接、患部に当て、溶けるまで冷やすといいですね。このときは時間を図るのではなく、氷が溶けたら終わりでいいと思います。そのほかには、大腿部をさするようなセルフマッサージもいいですね。お風呂に入った時などに意識して行うようにしてみると、成長痛の予防になると思います」

【ひざの成長痛(オスグッド)の予防法】
1. 運動後のアイシング
2. 練習時に深くひざを曲げすぎない
3. 大腿部のセルフマッサージ


記事提供/サカイク


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