風邪のとき、3割弱の保護者が「家族によくしてもらえなかった」と回答

アンケート期間 2011/10/26~2011/10/27 回答者数:2,617人
アンケート対象:本サイトメンバー 小学生・中学生の子どもがいる保護者

※百分比(%)は小数点第2位を四捨五入して表示した。四捨五入の結果、各々の項目の数値の和が100%とならない場合がある


保護者は風邪をひいているひまさえない!?

子どものインフルエンザはじめ流行性の病気について、保護者のかたの対応や、学校での対応などがいろいろとられています。では、お子さまではなく、保護者のかたが罹患(りかん)した場合はどうなるのでしょうか。サイトメンバーのかたの状況をお聞きしました。
驚いたのはアンケート回答のなかに目立った「風邪をひいているひまさえない!」「緊張が解けると風邪をひく気がする」という声。大多数がお母さまからの声で、「母は強し」を実感させられます。Benesse教育情報サイトで川柳を募集したところ、以下のような作品も寄せられました。

※掲載ページは こちら



こちらの川柳について、サイトメンバーのかたに伺ったところ、ほぼ半数が「そう思う」「だいたいにおいてそうかな」と回答しています。

【図1 この川柳についてあなたの感想に近いものをお選びください】

図1 この川柳についてあなたの感想に近いものをお選びください

では、ふだんは元気な保護者のかたが風邪をひくと家族のかたはどのように接してくれるのでしょうか?


風邪をひいた保護者、3割弱は「よくしてもらえなかった」のはなぜ?

実際に、風邪をひいた場合、多くのかたは「家族がよくしてくれた」と回答していますが、3割弱が「よくしてもらえなかった」とのこと(図2)。どういった状況だったのでしょうか。

【図2 あなたご自身が風邪をひいたとき、お子さまやパートナーはどのように接してくれましたか? 近いものをお選びください】

図2 あなたご自身が風邪をひいたとき、お子さまやパートナーはどのように接してくれましたか? 近いものをお選びください

●よくしてもらえなかった状況を教えてください

・あまりつらいのを見せないようにしているので、普段とそれ程変わりないかもしれません
・「大丈夫?」と気をつかってはくれますが、夕飯は、わたしが熱で起き上がれないくらいでないと作ってくれません……
・夫、子どもたちはすすんでお手伝いをしてくれました。ただ、わたしの食事はなかったような
・子どもと主人はわたしが寝ていたため二人で外食。わたしには、ポカリスエットを買ってきてくれた。嬉しいような、悲しいような……
・主人はあてにならず、娘の力は大
・一人だけインフルエンザになって、隔離されたが、ご飯はしまわれてしまい自分で用意して食べた
・わたしが調子が悪くなると機嫌が悪くなるので、我慢して家事を自分でやりました
・まったくよくしてくれなかった。それ以来、風邪をひきそうになったら自分で早めに対処して絶対に寝込まないようにしている
・単身赴任中なので、主人を頼ることはできません。自分はなんとか耐えるとしても、子どもの食事の準備とかは実家の母を頼ってしまいました
・熱があっても「夕飯はどうしたらいい?」と相談してくる夫。自分で考えてほしい。かと思えば、自分たちは外食してくるからいいよ、と自分たちのことしか考えていないことにはいつも腹が立つ。熱があっても自分のことは自分で、ということでしょうか?
・みんないつもどおりでした。とっとと先に寝ました
・気付いてくれなかったな
・結婚17年、初めて高熱が出たときに「気が緩んでいるから熱が出る」と言われた。一生忘れません!!

「単身赴任中で頼れる人がいなかった」「子どもが小さいので、体調の悪さをしっかり理解できない」などの事情があるかたもいらっしゃいました。が、それにあてはまらなくても、家族の助けを得られなかったかたもたくさんいました。特に食事の支度・洗いものや洗濯物など、ふだん家族がやっていない場合は、対応できないという状況が浮かび上がってきます。ふだんやりつけない子どもの食事の支度・調達に一生懸命で、気付いたら病人が取り残されたままになった、というケースも。
残念ながら、よくしてもらえなかったかたは、かなり以前のことでも覚えていらっしゃるかたも少なくありませんでした。家族がつらいときはお互いに普段以上に優しく心と言葉をかけて助け合っていきたいものです。続いて、「よくしてもらえた」というかたの状況も紹介しましょう。


代わりにやってくれることもありがたいが、気持ちがうれしい

家族によくしてもらったかたのアンケートからは、本当にそのときの嬉しかった気持ちが行間から伝わってきます。しかし、なんでもすべてを代わりにやってもらうということは難しく、家族それぞれが少しずつやりくりしたり、がまんしたりすることでなんとかしたという回答が多く見られました。そして、実際に「してくれること」もうれしいけれど、「心配している気持ち」を伝えてくれるだけでも、ジーンとした、というかたもいらっしゃいました。

●どんなふうによくしてもらいましたか?

・インフルエンザに初めてかかって別の部屋で寝ていると、子どもたちがかわるがわる声をかけてくれて、自分たちでやれることをいつも以上にがんばっていた。気遣う心遣いがうれしかった
・家族全員が風邪になっても、インフルエンザになっても、わたしだけはかからないのだが、一度、耳下腺をはらして熱を出して寝込んだ時に、普段は台所に立たない主人が、おかゆを作ってくれた。子どもたちは、おろおろしながら、手紙を書いてくれたりした。まあ、それだけだったが、気にかけてくれているというのが嬉しかった
・わたし一人がインフルエンザにかかった時、和室にこもっていたら子どもたちでご飯を炊いて納豆で夕飯をすませてくれた
・わたしが本当にダウンするのは2年に1回くらい。子どもが保育園時代にどうしても迎えに行くことができず、夫がタクシーを飛ばして帰って来てくれました。すごく忙しかったのに。あの時は嬉しかったなあ
・わたしが肺炎になった時に、夫は最初は何をして良いのかわからなかったようですが、夫のできることをわかっているのでそのうえでいろいろとお願いした。子どもと一緒に協力して気持ちよく引き受けてくれたので大変助かりました
・何も言わないでいると何もしてもらえないが、自分からしんどい、できない、を連発すれば食事作りから食器洗い、洗濯、掃除、なんでもしてくれた
・普段から、夫・子どもがわたしと同程度に家事を分担していますが、わたしに限らず誰かが病気等でできない分は、誰かがカバーします


普段、家庭生活をテンポ良く切り盛りしている保護者のかたが風邪で倒れると、大変なことになる、ということは改めてアンケートから伝わってきました。
お子さまの年齢や、家族構成・お住まいの状況によっては頼れる人がいない、という厳しい状況のかたもいらっしゃることもわかり、本記事をお読みの皆さまがお風邪を召しませんよう、編集部としてもお祈りしております。

しかし、めったにないこととはいえ、予期せぬ事態とはいえないのが風邪。ある程度お子さまが成長しているご家庭では、保護者のかたが風邪をひいたときにどうするか、話し合ってみてはいかがでしょうか。子どもは家族の一員として保護者に頼りにされることで、思った以上に積極的に役割を引き受けてくれるものです。「○○だったら、できそうだからお願いしようかな」「いつも行っているスーパーだったら行けるかな?」など、万が一のシミュレーションをしておくだけで、家族みんなが安心できます。
アンケートでは「手伝いを期待したが、気がつかないようだった」という声もありましたが、なかには普段は家事をお願いしていない家族のかたに「何をしてほしいか・どうやってほしいか具体的に頼んだらやってくれた」という声もありました。体調が悪いなか、そこまでかみくだいてお願いするのも大変かもしれませんが、ふだんその家事をやっていない家族にもわかるように伝え方を工夫するのも手かもしれません。

では、時節柄ご自愛ください。


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