野菜の色実験:色の不思議クッキング【食育】

わたしたちが生きるために欠かせない「食」はとても身近なテーマです。歴史・栄養・色・おいしさ……さまざまなアプローチから食について考えましょう。せっかくの夏休み、親子クッキングも楽しんでくださいね!


アプローチ3
野菜の色実験

ブルーベリーや赤じそ、ぶどう、紫キャベツなどにはアントシアニンと呼ばれる天然の色素が多く含まれています。この色素は酸性で赤くなり、アルカリ性で緑色に変化する性質があります。この性質を使った色の変化を記録しましょう。


用意するもの

  • 紫キャベツ
  • レモン汁
  • 重曹
  • 紫キャベツ液を入れる透明の容器(プラスチックのコップや卵のパックなど)

進め方


1)紫キャベツ液を作る

(1) 紫キャベツの葉2~3枚を千切りにする。
(2) 鍋に紫キャベツとコップ1杯の水を入れ、濃い紫色になるまで煮る。
(3) 紫キャベツ液を冷ましてから実験に使う。

※紫キャベツを切るときや煮るときは、子どもがケガをしないように大人が一緒に行いましょう。


2)色実験をする

紫キャベツ液を3つの容器に分け、それぞれレモン汁・水・重曹を少量加える。

※ほかに、酢・スポーツドリンク・にがりなどを加えても色の変化を観察できます。もっと実験したい場合はこれらのもので試してみましょう。


3)色の変化を観察し、写真に撮る


4)実験結果を紙にまとめる

小学6年生の理科ではリトマス紙を使った酸性・中性・アルカリ性反応の実験をすることがあります。すでに学習している場合は、酸性・中性・アルカリ性反応について触れることができますね。
まだ学習していない場合は、「食べ物から作った色水が、混ぜるものによって違う色に変化する」ことに気付くことができれば十分です。もっと深く取り組みたい場合は、「天然着色料」について調べたことを加えてもよいでしょう。

天然着色料について参考になるサイト
日本食品添加物協会ホームページ
東京都福祉保健局「食品衛生の窓」
グリコ栄養食品「たべもの事典」


解説


食品に使われている着色料について知るきっかけに

梅干しが赤いのはなぜでしょう? 梅干は赤じそと一緒に漬けて作りますが、梅の果実は青いし、赤じそも紫色で赤くはありません。これは赤じそに含まれるアントシアニンと呼ばれる色素と梅酢が反応するからです。アントシアニンは酸性で赤くなり、アルカリ性で青色~緑色に変わる性質があります。
このような天然の色素には、食品を美しくおいしく見せる効果があります。
色実験をきっかけにして、「市販の食品には着色料が使われているものが多く、着色料には天然着色料と合成着色料がある」ということに気付くこともできます


Let’s 親子クッキング

紫いもに含まれる天然色素「アントシアニン」の性質を利用した3色のスイートポテト。紫いもはアルカリ性の重曹と混ぜることで緑色に変わります。
この「色の不思議スイートポテト」クッキングを自由研究としてまとめるのも、おすすめ!


アントシアニンで色が変化!
「色の不思議スイートポテト」
材料(12個分)
さつまいも(皮をむいて)………300g
砂糖………30g
バター……10g

紫いも(皮をむいて)………500g
砂糖………50g
バター……15g
重曹………少々

作り方
(1) さつまいもと紫いもは2cm厚さの輪切りにし、皮を厚めにむいて水にしばらくさらす。
(2) 耐熱用の皿に並べ、水大さじ2をふり、ラップをかけて電子レンジで約18分加熱する。
(3) 熱いうちにそれぞれのいもをフォークなどで細かくつぶし、それぞれに砂糖とバターを加え、レンジで約1分加熱してからよく混ぜる。
(4) 紫いもの半量に重曹を加えて混ぜ、電子レンジで少々加熱すると緑色に変わる。
(5) 3色のいもを少しずつふきんに乗せて、丸くしぼる。

プロフィール



管理栄養士。子ども料理研究家。子ども料理教室「キッズクッキング」主宰。東京都内数か所で実施。子どもの心身を育む、元気な子ども料理教室は定評がある。子ども向け料理のテレビ番組、新聞、雑誌などで出演多数。

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