子どもの健康管理 (3)朝の排便習慣をつけるコツ

毎朝、すっきり排便して一日をスタートするのが理想の姿。だけど朝出なかったり、便秘がちだったりする子どもも多いようです。特に夏休みは便通が乱れがち。小学校の養護教諭をされていた宍戸洲美先生に、朝の排便習慣を定着させるコツを伺いました。


子どもの便通は把握しておきましょう

子どもが小学生になり、ある程度自立してくると、子どもの便通に無関心になる親も出てきます。しかし便通は健康のバロメーター。毎日ちゃんと排便しているかどうかは把握しておきましょう。


便になるものを食べることが必要です

便のもととなるものがなければ当然排便はありません。便のかさが増えやすいのは、食物繊維を多く含む穀物や豆類、イモ類など。逆に肉類などの動物性たんぱく質は便になりにくい食物です。
また、暑さで食欲がないからと水分やお菓子、果物ばかり食べていても便はなかなか作られません。


便意のメカニズムを上手に利用して

食べたものは25~30時間くらいかけて便になります。
しかし便意が起こらなければ、スムーズに排便することはできません。そこで便意のメカニズムを知っておくことが大切です。


便意のメカニズム
空っぽの胃の中に食物が入る
 ↓
胃の粘膜が刺激を受け、脳に情報が伝わる
 ↓
脳が指令を出して大腸が収縮運動を始める
 ↓
大腸の中にあった便が、肛門に近い直腸へ送り出される
 ↓
直腸の粘膜が刺激されて、脳に情報が伝わる
 ↓
便意が起こる


だから胃が空になる朝が、いちばん排便に適した時間帯なのです。

快便にはリラックスも大切な要素

心も体もリラックスしているときは、排便もスムーズです。自律神経には交感神経と副交感神経がありますが、リラックスしている状態は副交感神経が優位に働いているとき。副交感神経が活発になると、腸の動きも活発になり、便意を感じやすくなります。
ところが、昼夜が逆転するなど生活リズムが乱れたり、ストレスがたまりすぎたりすると、自律神経の働きは乱れがちに。そして副交感神経の働きが鈍れば、便秘になることもあります。日中はしっかり活動し、夜間は十分にリラックスできる生活習慣で自律神経を整えましょう。


便秘を作る悪い習慣
○朝食抜き、または食パン1枚程度
体温が上がらず、日中はあまり活動しないでボーッと過ごしてしまい、昼夜が逆転。すると自律神経が乱れ、便通を促す副交感神経の働きが悪くなる。

○清涼飲料水のガブ飲み
血糖値が上昇するので満腹感が起こり、便のもととなる食事ができなくなる。

○夜にテレビを見たりテレビゲームをしたりする
モニターの明るい光で眠りを誘うホルモン「メラトニン」の分泌が抑制されるので眠れなくなる。すると朝起きられなくなり、朝食も食べられず、便意も起こらない。

プロフィール


宍戸洲美

帝京短期大学 生活科学科 学科長・教授。看護師、保健師を経て、3つの小学校で27年間にわたって養護教諭として勤務した経験をもつ。現在は大学で養護教諭をめざす学生たちの指導にあたると共に、NPO法人子育てアドバイザー協会の講師なども務めている。

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