「学校がつまらない」と元気がなくなってきた息子[うちの子、どう接したらいいの?]

今週の相談「「学校がつまらない」と元気がなくなってきた息子」


「学校がつまらない」と元気がなくなってきた息子[うちの子、どう接したらいいの?]


相談者
性別:男子
相談者:母
学年:中1

相談
中学受験した結果、第3志望に進学しました。4月のころはまだ普通に通学しており、今日はこういうことがあった・どうしたと話していたこともあったのですが、ゴールデンウイークあたりから口数が少なくなり、元気がなくなりました。聞けば「学校がつまらない」と言います。この間はついにお休みしてしまいました。
友達は多いほうではなく、ケータイを与えていますが、特に使うということもなく、リビングに置いたままです。そっとしておいたほうがよいのか、何か聞き出したほうがよいのか、どうしたらよいでしょうか。また、今の学校を好きになって元気に通えるようになるために何かできることはないでしょうか?

福谷先生のアドバイス
ゴールデンウイーク後、「学校がつまらないと感じる」「休む」こういった現象は子どもたちだけでなく、新入社員にもよく起こることです。これを「五月病」と今でも言っております。この「五月病」対策として多くの高校や大学でも「新入生合宿キャンプ」や「合宿オリエンテーション」を実施しています。新入生が学校を長期に休んだり、転校したりすることは少ないのですが、気持ち的に「休みたい」「転校したい」と思う新入生は多くいます。

そして本件の場合、第3志望の学校に通うことは大人(保護者)が考えているより本人にとってはショックであったに違いありません。加えて失敗の原因について本人と保護者が前向きに協議していないと、無意識でそのショックだった時の暗い気持ちのまま、登校していたかもしれません。たとえば、(自分の努力不足が原因だったんだ……)というような思いを抱えたままだったのかもしれないのです。
第3志望の学校に行くことについて、今からでも遅くないので、きちんとお子さまと話しあうことが大切です。たとえば「第1志望も第2志望も合格の可能性が極めて低いと言われながら、受験を強行したのは保護者であった」というような事情がある場合は、子どもに話すべきです。

「学校に行きたくない」について一時的なものであれば、さほど心配いりませんが、お子さまがその理由について保護者に話す場合は、絶対にそれを聞き逃さないでください。男子も女子も年齢が上がるにつれて、こうした理由を話さなくなるのが成長・発達でもあるからです。話す内容が主観ではなく客観的である場合は担任や学校側と情報交換が必要です。多くの場合、担任も学校側も保護者からの情報交換には好意的です。なぜならば、早期の情報が早期の問題解決に至ることが多いからです。
「休む」については、ただ「しんどい」という言葉だけで欠席させないほうが良いでしょう。
休む場合は必ず病院に行かせるようにすると、「我が家の場合、最低、病院に行かされるので、メンドクサイけれど登校するか」と考えるようになるかもしれません。このようなスタンスでも良いでしょう。
受験の結果は残念であったかもしれませんが、近年、私立の中学校や高校では特別進学クラスなどを配置して、在学中も常に新しい目標を持たせようとしているところも多いようです。学内においてもチャレンジはあります。そのことにもぜひ目を向けるようにしてください。

それから、ケータイのことについても触れておきましょう。
ケータイを与えると友人が多くなり、ケータイがないと友人ができにくい、ということはありません。ただ、さびしがりやな性格の子どもにケータイを与えると「見ず知らずの人なら自分は匿名で安心して話せる」といった屈折した交流が生まれる可能性があるので、そういった点は注意しなくてはいけません。

プロフィール



臨床心理士。臨床心理士コラボオフィス目黒理事 。二松學舎大学附属高等学校スクールカウンセラー。著書に『男の子の上手な育て方』。ご自身は、中学生のお父さま。

子育て・教育Q&A