78%の保護者が、担任の先生に「満足」

アンケート期間 2008/2/18~2008/2/20 回答者数:1,007人

学校に通う年代のお子さまを持つ保護者のかたは、いや応なく、担任の先生をはじめとする先生方と関わりを持つことになります。今回のアンケートでは、そんな皆さまが学校の先生に何を望み、どのような関係を築き、どのような満足・不満足を抱いているのかについて伺いました。

先生に期待すること

まず、回答者の皆さまにお子さまが通う学校の種別を伺いました。すると、公立の小学校・中学校が91%、私立の小学校・中学校が7%、公立の中高一貫校と国立大学の付属小学校・中学校がそれぞれ1%という結果になりました。

では、皆さまは、先生にどのようなことを期待しているのでしょう。回答者のかたには、あてはまるものをすべて選んでいただきました。

【図1 お子さまが通う学校の先生に、どのような期待をしていますか】
お子さまが通う学校の先生に、どのような期待をしていますか

「子どもたちが楽しいと思える学校づくりをしてくれる」「わかりやすい授業をしてくれる」が70%以上、「いじめへの対応をきちんとしてくれる」「子どもたちと公平に接してくれる」が60%以上と、それぞれ高い支持を得ています。
逆に、数値が低かったのは、「受験に役立つ指導をしてくれる」「習熟度別に子どもを分けて授業をしてくれる」「レベルの高い授業をしてくれる」などです。
いじめへの対応に関する要望が高いのは今の時代を反映している感もありますが、全体として、回答者のかたは、学校生活を送るうえでの基本的な役割を先生に期待していることがわかります。

お子さまの学齢別に詳しく見ると、全体とは異なる傾向を示す項目もありました。
全体としては低い数値だった「受験に役立つ指導をしてくれる」「習熟度別に子どもを分けて授業をしてくれる」「レベルの高い授業をしてくれる」「クラブ活動や部活動を熱心に指導してくれる」は、中学生以上になると、小学生以下と比べて10ポイント以上も数値が上がります。特に「受験に役立つ指導をしてくれる」は、小学生以下が平均5%であるのに対し、中学生以上では平均46%へと跳ね上がりました。
また、「子どもたちが楽しいと思える学校づくりをしてくれる」は、中学生以上になると、小学生以下と比べて10ポイント以上も数値が下がる項目となっています。
保護者のかたの先生への期待は、お子さまが中学生以上になると、より学習面を重視したものになると言えそうです。

担任の先生とのコミュニケーション

このような期待のもと、皆さまは先生とどのような関係を築いているのでしょうか。担任の先生との関係に的を絞り、コミュニケーションの程度について伺いました。

【図2 担任の先生とはどのようなコミュニケーションをとっていますか】
担任の先生とはどのようなコミュニケーションをとっていますか

「直接話したことがある」かたが86%と高い数値となっています。アンケート実施が2月中旬であり、担任の先生とは1年近く関係があることを考えると当然とも考えられますが、裏を返せば、1年近く関係があるにもかかわらず、14%のかたが直接話したことがないという結果も、同時に表していると言えます。

続けて、皆さまがどのような機会に担任の先生とコミュニケーションをとるのかをご紹介します。回答者のかたにはあてはまるものをすべて選んでいただきました。

【図3 担任の先生とは、どのような機会にコミュニケーションをとりましたか】
担任の先生とは、どのような機会にコミュニケーションをとりましたか

「個人面談」が一番多く、「保護者会」「家庭訪問」と続きます。保護者会は他の保護者も同席する場ですが、個人面談と家庭訪問は先生と1対1で話すことができる場です。このような機会をうまく利用して、皆さまは、担任の先生とコミュニケーションをとっているのですね。

担任の先生に対する満足・不満足

最後に、担任の先生に対する満足度を伺いました。

【図4 お子さまの担任の先生に満足していますか】
お子さまの担任の先生に満足していますか

「とても満足している」と「まあ満足している」を合計すると78%となり、4分の3以上のかたが担任の先生に満足感を得ていることがわかります。
具体的にどのような点が満足なのか・不満足なのかを、皆さまの声からご紹介していきましょう(カッコ内はお子さまの学齢)。

〈満足〉
  • 子どものことをよく見ていて、親が知らない一面や、子どもが話さない学校での様子を教えてくれるから。(小1)
  • 良いことはほめ、悪いことはしかると徹底していて、メリハリがあります。また、登校拒否気味になった時、自宅に何度も迎えに来てくれて、熱心さが伝わりました。(小4)
  • 20代の若い先生なので経験が少ないが、それでも一生懸命子どものために取り組んでくれていると思う。勉強面や集団生活の面で先生の技量として行き届かない面もあるが、保護者も子どもへのサポートに努めているので、まずまずだと思っている。(小5)
  • 子どものやる気をうまく引き出している。「学校生活が毎日楽しい」「今のクラスで本当によかった」「今の担任の先生で本当によかった」と子どもから何度も聞く。(小6)
  • 子どもが友人関係で悩んでいた時、さりげない気遣いをして見守ってくれていたことを知り、親子とも心強く感じました。私も授業参観や懇談会へ出席するなど、学校へ行く機会を増やし、学校の様子を感じるようにしています。先生に期待するだけでなく、親も先生に会う機会を増やすなど、努力が必要だと思います。(中1)
  • 多感な世代の男の子の成長を丁寧に見守ってくださっています。小さなことでも相談に乗ってくださり、生活、学習面に信頼をおける先生です。また、人生においての「大人としての成長」にも、力を入れてくださっています。(中3)

〈不満足〉
  • その時の気分によって生徒をひどくしかるなど、指導にムラがある。(小3)
  • 問題が起きた時にうまく解決できない。たとえば喧嘩(けんか)が起きた時、原因がどうであれ、喧嘩両成敗ということで、子どもが納得しないままにお互い謝らせるなど。(小4)
  • 学級崩壊のようなクラスです。校長先生なども授業に入ってくれて、その時は良いのですが、担任だけではうまくいきません。保護者も協力すると言っているのですが、うまくかみあいません。先生は最近、投げ出しているように見えます。残念です。(小6)
  • 家庭訪問や個人面談の時に直接話したが、事務的、役所仕事というイメージしかない。他の保護者に聞いても、あの先生に期待しても無駄だと、有名な担任だった。(中2)

皆さまがご自身の体験を踏まえ、担任の先生の良い面や直してほしい面をきちんと見極めながら、先生に対する満足・不満足を書いてくださっていることが伝わってきました。全体としては満足しているかたの割合は高いものの、不満足を感じてしまうと、先生の言動の一つひとつが気になるという負の回路に陥ってしまうことが多く、何よりお子さまにとって良くない影響を与えてしまいます。不本意なことが起こった際に不満足という強い気持ちを抱いてしまう前に、早めに改善できるよう、日頃から積極的に先生とコミュニケーションをとり、良い関係づくりの土壌を培っていくことが大切ではないかという思いを抱きました。

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