「勉強は何のため?」と子どもに聞かれたら

生活に結びついた「学び」

たとえば、算数などは中学年から高学年になるときに、つまずく子どもが比較的多くいると聞きます。小学校中学年では、小数や分数の計算が入ってくるし、高学年になると、図形の面積の計算もあります。単純な四則計算(たし算、ひき算、かけ算、わり算)は、日常生活で活用する場面が多くありますが、小数や分数、面積などは、そう多くありません。おそらく、四則計算が複雑になったり、内容が抽象化していくことが算数につまずいたり、嫌いになったりする要因だと思います。

文部科学省では、「活用」の力をもっと高める必要があると考えています。学校で習った知識を実際の生活場面で活用できないと「役に立たない知識」となってしまい「何のために勉強しているのかわからない」という意識を助長してしまうかもしれません。

そこで学校の授業では、学んだ知識や技術を生かし、活用したり応用できる力をつけることにも重点をおこうとしているのです。

今後、学校での授業が「活用」を意識した授業に少しずつ変わっていきます。家庭の中でもできることはたくさんあると思います。まずは、学校でどんな授業があったのか、お子さまとコミュニケーションをとってほしいと思います。

「できた」という達成感

「勉強の内容」と「将来の夢」がつながっていなくても、勉強を好きな子はいます。そういう子はなぜ勉強が好きなのでしょうか? ある小学校の先生が次のように言っていました。

「問題が解けた瞬間や、新しいきまりや隠れたナゾを発見すると、子どもたちの中に『やった!できた!』という『達成感』が生まれます。この『達成感』を多く経験すると『自分もやればできる』という自信につながり、それが学習に向かう原動力になるのです」。

勉強だけにこだわらず「できた」や「発見した」という場面を家庭の中でも多くつくっていくことは、子どもに自信をもたせ、前向きに取り組む姿勢をつくりだす、という意味で大事だと思います。

また、これも別の小学校の先生が言っていたことです。
「子どもをほめるにはコツがあります。たとえば描いている最中の絵をほめるとき、『よく描けているね』と漠然とほめるのではなく、『雲の形が魚みたいで、泳いで動いていきそうに見えてとてもいいね』などと具体的にほめるのです。そして、ほめたうえで『もうひとつ魚の雲が加わると、空に動きが出てもっとよくなるんじゃないかな』といったアドバイスを加えると、子どもはもっといい絵にするためにがんばることができるんです」。
「○○みたいでいいね」と別の何かにたとえて言ってあげるといいそうです。学校の先生は、子どもを上手にほめているのだなと感心しました。
子どもに「自信」をもたせることと、そのうえで具体的なアドバイスをすることで、子どもは学びに向かいやすくなるのではないでしょうか?

調査概要

プロフィール

Benesse教育研究開発センター 小泉和義

「進研ゼミ小学講座」は1980年に開講して以来、「チャレンジ」の愛称とともに全国の小学生のやる気をひきだす自宅学習教材として親しまれてきました。現在、小学生の約5人にひとりが会員という、最も利用されている自宅学習教材です。

おすすめトピックス

子育て・教育Q&A